総合電機世界大手独シーメンスの子会社シーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー(SGRE)は6月12日、火山岩に蓄熱するタイプの新たなバッテリー「Electric Thermal Energy(ETES)」技術を発表した。通常の電池を用いた蓄電設備ではなく、電力エネルギーを熱エネルギーに転換し蓄熱し、電力ピーク時に熱エネルギーを用いてタービンを回し電気エネルギーに再転換して送電するという画期的な技術。独ハンブルクのアルミニウム工場に設置する試験プラントでは、1週間で130MWh分の蓄電できる。
今回SGREが発表した蓄電設備では、火山岩1,000tを遮熱性の高い800m3の空間に閉じ込め、電気エネルギーを抵抗期で熱風に変え火山岩に熱を溜め込ませている。今回の試験プラントでは、送電網への電力供給や蓄熱施設の拡大可能性等を探る。将来的には、GWh級の商用蓄電施設を建設していく考え。
今回のプロジェクトでは、独ハンブルク工科大学のエンジニアリング熱力学研究所と現地の電力会社ハンブルク・エナジーも協力。独連邦経済エネルギー省も資金拠出している。
ETESは、基本設備が安価な原料や部品で建設できるためコストが非常に安い。SGREは、同設備を、再生可能エネルギー発電所や工場等の熱発生施設の施設内に設置していくことを計画している。また、既存の石炭火力発電所等を同設備を用いた蓄電所へと転換していくことも検討している。
【参照ページ】World first: Siemens Gamesa begins operation of its innovative electrothermal energy storage system
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