英国政府は10月15日、同国の独立行政機関「気候変動委員会(CCC)」が2050年までの二酸化炭素ネット排出量ゼロ達成するよう提言したことに応じ、気候変動対策の促進に向けた新たな政府計画を発表した。環境・食糧・農村地域省、ビジネス・エネルギー・産業戦略省、運輸省が省庁横断で、脱炭素に向けた大胆な政策骨子を発表した。
今回発表された政策は、
- 2030年までに、商業不動産に対し、EUの不動産省エネ評価EPCでB以上を取得することを義務化。エネルギーコストを年間10億ポンド(約1,400億円)削減。二酸化炭素排出量を50万世帯分削減
- 商業不動産に対し実績値でのエネルギーパフォーマンス評価を義務付ける制度の導入について2020年にパブリックコメントを募集
- 大規模エネルギー貯蔵施設の計画許可の簡素化に向けた協議の実施
- 英政府「エネルギー・データ・タスクフォース」の提言に基づき、エネルギーシステム全体でデータを共有し、脱炭素化推進
今回英政府は同時に、EU離脱後に英政府の環境政策を監視するための「環境保護局(OEP)」設置を含めた新たな「環境法案」を発表した。EU加盟国は、各国の環境政策コミットメントに対し目標に達しなかった場合に欧州委員会が罰金を課すことができるが、英国はEU離脱後に、自ら環境政策を監視する必要が生まれる。新設される環境保護局は、ブリストルに置かれ、約120名でスタートする予定。気候変動、大気汚染、プラスチック汚染、生物多様性に対す政策への監視機能を持つ。但し、欧州委員会とは異なり、政府に罰金を課す権限はなく、その点について後退を懸念する声も上がっている。
英政府は10月初旬、自動車分野のイノベーション促進に向けた10億ポンド(約1,400億円)助成計画も発表。また今回新たに、大規模バッテリーや炭素回収技術の研究開発に約20億ポンド(約2,800億円)の予算も発表した。
【参照ページ】UK to go further and faster to tackle climate change
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