ミレニアル世代(1980年から2000年の間に生まれた世代)の59%が、バリューチェーン全体においてパッケージングのサステナビリティが重要だとの認識を持っている。これは、フィンランドに本拠を置く製紙メーカー大手のストラ・エンソが1月22日に発表した報告書”Future of Packaging for the Millennials”の中で紹介しているもの。
同報告書は、パッケージに対する消費者の期待と、それに伴う小売業者やブランドの収益拡大に焦点をあてた調査結果をまとめたものだ。調査では、ミレニアル世代は上の世代よりも環境に優しい製品を購入する傾向にあり、5人中4人が購買意思決定においてパッケージを重要視していると答えたという。また、パッケージ素材をブランド体験の一部と捉えている割合は、ミレニアル世代以外の世代では71%だったのに対し、ミレニアル世代は85%だったとのことだ。
さらに、同報告書ではミレニアル世代の44%が、持続可能なパッケージの製品にはより多くを支払ってもよいと考えており、繊維でできたパッケージ素材をサステナブルな選択だと考えていることが分かった。また、上記と関連して同調査ではさらに小売業者やブランドは持続可能なパッケージングに全力で取り組むことで売上、利益の双方を伸ばすことができるとする結果を公表しており、売上高は2%~4%増加し、そしてEBITマージンは1.0~2.5%を改善させることができるとしている。
ストラ・エンソ社で副社長兼パッケージングソリューションを担当するHannu Alalauri氏は「ミレニアル世代はどの世代よりも様々な面で要求が厳しく、製品のバリューチェーン全体におけるサステナビリティを求めている。それは紙・繊維などの再生可能なパッケージ素材が強く求められていることを意味しており、それが小売業者やブランドの売上と利益を増加させる機会となっている」と語った。
“Future of Packaging for the Millennials”はストラ・エンソ社のパッケージングソリューション部門による調査報告書シリーズの第4版で、業界に関する専門知識、インタビュー、レポート、国際調査を基にして、戦略コンサルティング会社のA.T.カーニーと共同で作成したもの。消費者データは28ヶ国347人の調査回答から得られたもので、財務データの分析はA.T.カーニーが作成したモデルを使用して行われた。
消費財メーカーや小売業界にとってパッケージングは売上や利益を伸ばすうえで非常に重要な役割を担っている。しかし、もはやパッケージは消費者の興味喚起や利便性の追求といった従来の役割を越えて、サステナビリティが重要な要素となってきている。ミレニアル世代が徐々に消費の中心世代となっていく中で、企業にとってはこの変化をどのように機会に変えることができるのかが勝負の分かれ目となりそうだ。
【レポートダウンロード】Future of Packaging for the Millennials
【企業サイト】Stora Enso / A.T. Kearney
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