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【ヨーロッパ】WWF、資源利用効率化だけでも年間3,000億ユーロを生み出せるとEUに提言

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 世界最大規模の自然環境保護NGOのWWFは3月10日、EUの経済政策に関する提言報告書"From crisis to opportunity: Five steps to sustainable European economies"(危機をチャンスへ:ヨーロッパの経済を持続可能にするための5つのステップ)を公表した。

 同報告書によると、EUは資源効率を上げるだけで、年間3000億ユーロ以上を生み出せるという。これは、欧州委員会委員長のJean-Claude Juncker氏がEU28か国の経済・財務担当大臣に対して提案したEU経済活性化、雇用創造に向けた投資計画、European Fund for Strategic Investments(EFSI)の予算に相当する金額だ。

 また、WWFは自然災害がEUの経済成長を妨げると指摘しており、過去10年以上で洪水の被害額は1500億ユーロ以上、大気汚染の被害額は毎年約5370億ユーロに及ぶとしている。

 同報告書の執筆を担当したWWFのエコノミスト、Sébastien Godinot氏は「Juncker氏とEUのリーダーたちは『自然を汚して成長し、あとできれいにしよう』という手法ではなく、今の経済の本当の問題である、自然資源の減少とそれを無視し続ける市場に目を向けなければならない。自然資源なしには経済は成り立たないのだ」と述べている。

 報告書はOECD、UNEP、世界銀行、IMF、ILOなどの国際機関や著名な経済学者らによる400以上の論文に言及し、「持続可能な経済の構築は、化石燃料依存型の経済 を解体するのにかかるコストを相殺する以上の価値がある」と結論づけている。持続可能な経済は、少ない資源やエネルギーを使いながら、市場の失敗を正し、ヨーロッパの自然を守るからだ。

 この結論を踏まえ、WWFはヨーロッパが今後5年間で取り組むべき5段階の政策ロードマップを提案しており、2050年に向けて最大の成果を生むためには気候とエネルギー、資源効率と管理、財政政策、グローバルにおける持続可能な開発リーダーシップ、包括的な新戦略の5つが政策に組み込まれるべきだとしている。

 資源効率を高め、持続可能な経済を作り出すことが、地球にも人々にも明るい経済をもたらす。EUでは経済危機をきっかけに、これまで以上に持続可能な経済への転換が迫られている。

【レポートダウンロード】From crisis to opportunity: Five steps to sustainable European economies
【団体サイト】WWF

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