今年3月、甘粛省の食品メーカー大手の武威栄華工貿株式会社が、テンゲル砂漠へ8万トンの汚水を排出し、266エーカーの土壌汚染をしたことで、刑事当局に摘発され、同社CEOは拘留、環境保護当局の責任者も停職および職務捜査の処分を受けた。栄華グループは、甘粛省武威市を拠点とする民間企業で、政府が推し進める農業産業化のリーディングカンパニーとして政府の循環経済テストに参加するほどの注目を集める企業だった。今回、環境汚染の摘発を受け、他の企業も中国政府の本腰を入れた取組に耳目を集めている。
報道によると、同社の過失は、食品工場からの汚水対策に必要な設備の完成を待たずに工場の稼働に踏み切り、未許可運転の罪。同社は、2014年5月28日から2015年3月6日まで、国家基準を満たしていない水を毎日平均971トン、合計で27万トン排水していた。そのうち約19万トンは同社が建設していた砂漠道路の緑化用の灌漑設備への排出で、残りの8万トンは舗設した地下パイプを通しての砂漠地帯への直接排出だった。基礎調査を終えた段階で、当局は環境保護法に基づき、同社の生産プログラムを停止、主要生産設備と排出設備を差し押さえた上、地下パイプを全て撤去した。加えて、300万元の罰金及び原状復帰費用として18万元が課せられた。
さらに、当局は同社の環境保護部門の体制不備の追及もしており、武威市が創設した調査チームの報告によると、同社の環境保護部門は責任を着実にしておらず、管理制度が名ばかりの存在になっているも指摘した。追及の手はそれだけにとどまらず、武威市と涼州区の政府の環境保護当局の職務怠慢の責任も厳しく追及していく構えだ。今回の事件は、3月7日の両会(中国人民代表大会と中国人民政治協商会議の略称、年に一回中国全土政策が討論、決定される会議)でも報告されており、環境保護部は栄華グループの摘発の発端となった環境衛星センシング技術での監視を今後も継続していく構えだ。
【政府サイト】環境保護部
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