世界銀行は3月27日、同行の展開するForest Sector Development Project(森林セクター開発事業)により2005年から2015年までの10年間でベトナムに住む43,000世帯以上がマイクロファイナンスによる金銭的支援を受け、76,500ヘクタールの植林地の創出に成功したと発表した。
同事業はベトナムの6地域で行われ、土地の調査および35,000世帯に対する土地利用権の保証書発行のための資金を提供し、地域コミュニティに社会・環境・経済面で多くの恩恵をもたらした。農家はこの権利証書を使用することで、同事業のVietnam Bank for Social Policies(ベトナム社会政策銀行)が運営する低金利の融資を申請することができる。さらに、世界銀行のプロジェクト担当者らは頻繁かつ定期的に事業計画の作成、予算計算、植え付け、収穫に関する研修と現場支援を実施した。
同事業の成果として、ベトナムの850ヘクタールの植林地が厳格な環境・社会・技術面の基準を満たし、森林認証のInternational Stewardship Forest Certificationを取得した。同認証を取得した森林で伐採された木材は、未取得の植林地と比べて値段30%も高くなる。また、植林地内の400km以上の道路が整備・改善された結果、輸送費の削減、労働生産性の向上、そして地元の雇用創出につながった。さらに、森林火災の予防に向けて86棟の見張り塔と102の情報掲示板も設置された。
世界銀行でベトナムのカントリーディレクターを務めるVictoria Kwakwa氏は「今回の事業のもとで行われた林業の近代化は、ベトナムの農業の近代化に対する努力の一部だ。ベトナムでより多くの世帯が融資と近代的な植林技術にアクセスできるよう、同事業の取り組みがさらに拡大することを期待している」と語った。
今回の事業はベトナム政府、The Trust Fund for Forestry、世界銀行の国際開発協会からの1億米ドルの支援によって成立したものだ。同事業は2015年3月に終了したが、より多くの世帯が同様の融資を受けるように、同事業内の融資は今後も20年間に渡って行われる予定だ。
【リリース原文】Supporting Sustainable Forest Plantations in Vietnam
【機関サイト】The World Bank Group
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