サステナビリティ報告国際ガイドライン世界大手GRIは9月6日、GRIスタンダードのうち、「GRI303:水」と「GRI403:労働安全衛生」の改訂草案を公表した。GRIは昨年12月に「GRI303:水」と「GRI403:労働安全衛生」を改訂すると発表していた。改訂草案は10月19日までパブリックコメントを受け付け、その後GRIスタンダードを管理するGSSBで最終審議を行う。
【参考】【国際】GRIスタンダード、水と労働安全衛生の2つの基準改訂に着手。来年にはさらに3分野で開始予定(2016年12月20日)
GRI303:水
「GRI303:水」の改訂作業では、専門家15名で構成されるプロジェクト・ワーキング・グループ(PWG)が改訂原案を策定した。ワーキンググループは、南アフリカ産業開発公社のLisa Pearceシニア環境スペシャリストが議長を務め、CDP、PRI(国連責任投資原則)、SASB、Ceres、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)、IUCN(国際自然保護連合)Global Water Program、蘭ハイネケン、印アディティア・ビルラ・グループ、スイスACTIAM等、国際的なガイドライン制定機関やグローバル企業、運用会社から専門家が参加した。
- 「GRI306:排水および廃棄物」から、廃水と排出物に関する内容が「GRI303:水」に移行し、「GRI303:水および廃水」に名称変更
- 取水だけでなく水消費に関する報告を義務化。特に水ストレスの高い地域でのインパクト報告の重要性を強調
- 排水に関し、排水処理や排水品質、懸念物質含有量等、排水詳細情報の報告を義務化
- 地域レベルでの排水に関する管理体制の報告等、排水マネジメントに関する報告を義務化
- サプライチェーン、関連商品・サービスにおける水インパクト報告に関する内容を追加
- 水のリサイクルやリユースに関する報告を推奨
- 報告データのサンプル等、詳細ガイダンスを発表
GRI403:労働安全衛生
「GRI403:労働安全衛生」の改訂作業でも、専門家15名で構成されるプロジェクト・ワーキング・グループ(PWG)が改訂原案を策定した。ワーキンググループは、豪ニューサウスウェールズ大学のSharron O'Neill上級講師が議長を務め、国際労働機関(ILO)、米国労働安全衛生庁(OSHA)欧州労働組合研究所(ETUI)、英国労働安全衛生研究所(IOSH)、カナダ労働会議(CLC)、ジョージワシントン大学教授、サステナリティクス(Sustainalytics)、蘭ハイネケン、ノルウェーのノルスク・ハイドロ、スイスのラファージュホルシム等から専門家が参加した。「GRI403:労働安全衛生」の改訂では、労働安全衛生における世界初の国際規格となる「ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)」、ILOや世界保健機関(WHO)の規定、国連持続可能な開発目標(SDGs)の内容に沿うものとなっている。
- マネジメントシステム、危険の特定、リスクアセスメント、管理ヒエラルキー、労働者の参加、労働協議、情報、トレーニングなど労働安全衛生分野の新たなマネジメントアプローチの報告を義務化
- マネジメントシステムが対象とする従業員数、労災保険サービスの対象となる従業員数など情報開示項目の追加
- 労災データの測定手法が大幅に改訂され情報開示を強化。特に危険作業の特定や労災事故の原因究明及び対策などの情報
- 喫煙や不健康な食生活等、労働以外の主要な健康リスクを減らす自主的プログラムへのアクセスに関する項目を追加
【参照ページ】GRI Standard 303: Water - now under review
【参照ページ】GRI Standard 403: Occupational Health and Safety - now under review
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