【日本】東京都の官民連携インフラファンド、石炭・木質ペレット混焼火力発電所新設に投融資決定 2018/03/27 最新ニュース

 東京都の官民連携インフラファンド「IDIインフラストラクチャーズ2号投資事業有限責任組合」は3月20日、火力発電事業2ヶ所に計55億円の融資を決めた。同ファンドは、東日本大震災後の2012年に東京都の主導で設立。国内外の電力エネルギーインフラ向けの投融資に特化した投資ファンド。管理会社はIDIインフラストラクチャーズ(IDI-I)で、2016年2月に大和証券グループ本社が同社の議決権50.01%を取得し子会社化。みずほ証券出資のインダストリアル・ディシジョンズ(IDI)も少数株主となっている。

 IDIインフラストラクチャーズ2号ファンドは、2011年12月に設立され、出資金総額は167.7億円。東京都も15億円投資している。ファンド期間は10年。今回の発表内容は、福岡北九州市の「響灘火力発電所」(総事業費300億円)に30億円、千葉県袖ケ浦市の「椎(しい)の森発電所」(総事業費150億円)に25億円投融資するというもの。

 響灘火力発電所は木質ペレット・石炭混焼火力発電(設備容量112.4MW)で2019年2月に稼働予定。事業主体は、IDIインフラストラクチャーズが出資する響灘火力発電所。木質パレットの混焼率は最大30%を目標としており、残りは石炭が電源となる。石炭は日本コークス工業からオーストラリア産やインドネシア産の石炭を調達。木質ペレットは北米または東南アジアから木質チップを年間最大15万t輸入する計画。北九州市は環境アセスメントの中で、石炭専焼火力発電の二酸化炭素排出係数が0.85CO2e/kWhなのに対し、木質パレット混焼で最大0.60CO2e/kWhまで引下げられると高い環境性能を評価。北九州市は、原子力発電所2基分に相当する2.5GWの発電を代替させるため、2013年に火力発電所と洋上風力発電所を建設する構想を打ち出しており、別途バイオマス100%火力発電の建設もすでに決めている。

 東京都が関係するファンドが石炭混焼火力発電へ出資を決めたことに対し、環境NGO気候ネットワークは非難声明を発表。「石炭火力発電は、最新の設備であっても LNGの2倍以上のCO2を排出し、気候変動への影響が大きい。たとえバイオマス混焼の事業であっても、「響灘火力発電所(仮称)建設事業環境影響評価準備書」によれば、年間58.4万トンものCO2を排出する。さらに排出される硫黄酸化物や窒素酸化物、PM2.5などによる大気汚染に伴う健康影響は看過できない問題である」と声明を出した。

 一方の椎の森発電所はガス火力発電(設備容量96.3MW)で2019年6月に稼働予定。事業主体等の詳細は不明。

 IDIインフラストラクチャーズは、2008年に1号ファンド40.4億円、2011年に今回該当の2号ファンド167.7億円、2016年に3号ファンド484億円を設定。そのうち1号ファンドは、2009年2月に全国で発電所建設を手がける事業者F-Powerの大株主になっている。

【参照ページ】官民連携インフラファンドの投融資案件について
【参照ページ】東京都の官民連携ファンドが石炭火力に30億円融資
【アセスメント】北九州市
【参照ページ】電力ビジネス事業の分社化と同事業に係る子会社株式の売却について
【参照ページ】日本最大のエネルギー・インフラファンド「IDIインフラストラクチャーズ3号投資事業有限責任組合」の件

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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