エネルギー世界大手蘭ロイヤル・ダッチ・シェルの株主総会が5月22日開催され、ESG投資推進NGOが株主提案とした気候変動提案が反対多数で否決された。
同社は、昨年の株主総会でも気候変動提案が提出されたが反対多数で否決。しかし同社はその後の2017年11月、販売エネルギーのカーボンフットプリントを2035年までに20%、2050年までに50%削減等を含む長期目標を設定し、自主的に対応を進める姿勢を示した。それでもNGOは具体的なアクション設定のためとして2017年発表目標の修正を求め、株主提案を提出。それに対し同社経営陣は反対票を投じるよう呼びかけていた。
今回の提案を行ったのは、同社の気候変動対応を迫るNGOのFollow ThisとESG投資推進NGOのShareAction。投票結果は、賛成5.1%、反対87.7%、棄権7.2%だった。主要株主のうち昨年から引き続き賛成したのはNNインベストメント・パートナーズ、MN、Van Lanschot Kempen、Achmea、ブルースカイ・グループ。今年初めて賛成に回ったのはアクサ・インベストメント・マネジメント。一方、ABP、PGGM、HSBCグローバル・アセット・マネジメント、APG、ロベコは、株主提案の趣旨に理解を示しつつも棄権票を投じた。英USS、英リーガル&ジェネラル・インベストメント・マネジメト、BMOグローバル・アセット・マネジメントは反対に回った。
今回棄権や反対に回った機関投資家も、同社が気候変動対応を進めるよう求めているところは多い。しかしながら、同社自身の目標発表から半年しか経過しないうちに株主総会で修正を迫るのは時期尚早だとして、賛成を見送った模様。気候変動対応機関投資家団体IIGCCに加盟する機関投資家27機関(運用資産総額7.9兆米ドル)は、株主総会の中で、同社が2017年11月に発表した中長期目標を着実に進めるよう求める共同声明を読み上げた。参加したのは、カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)、AP4、AVIVA Investors、USS、BNPパリバ・アセットマネジメント、アクサ・インベストメント・マネジメント、BMOグローバル・アセット・マネジメント、イーゴン、HSBCグローバル・アセット・マネジメント、UBSアセット・マネジメント、ナティクシス・アセット・マネジメント、PKA、MN等。
【株主提案】Resolution at 2018 AGM of Royal Dutch Shell plc
【共同声明】Royal Dutch Shell 2018 AGM Statement by a group of IIGCC members
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