【EU】欧州委員会、グーグルに競争法違反で5700億円制裁金命令。同社は控訴の考え 2018/07/22 最新ニュース

 欧州委員会は7月18日、アンドロイド搭載スマートフォンに自社アプリの使用を不公正な形で強制したとして、米グーグルに対し競争法違反を認定。43億4,286万5000ユーロ(約5,700億円)の制裁金支払いを命じた。競争法制裁金としては過去最大。米グーグルは不服とし、EU一般裁判所に控訴する考え。

 グーグルは、アップルやマイクロソフトのようにOSと端末の双方を一体開発しているのとは異なり、サムスンやLG等の第三者の端末メーカーに対しアンドロイドOSをライセンス提供するビジネスモデルを展開している。欧州委員会は、グーグルが、インターネット検索サービス、スマートフォンOS、アンドロイドOS用アプリストアの3つで独占的地位にあると認識。EU競争法では、欧州経済領域(EEA)で市場で独占的地位にあることそのものは違法ではないが、健全な競争を阻害する行為があるかどうかで調査を進めていた。

 今回、欧州委員会はグーグルが3つの競争法違反行為を行っていると認定した。まず、アンドロイドOSを搭載するスマートフォン端末に「Google Search」「Google Chrome」の両アプリが必ずプリインストールされていることが独占的地位の乱用とした。また、アンドロイドOS端末メーカーに対し、排他的に「Google Search」をプリインストールをした場合に支払う金銭的インセンティブをも違法とした。さらに、アンドロイドOS端末メーカーにアンドロイドOSの類似OSを開発または使用する行為を禁止していることも違法とした。欧州委員会は、これら行為が、自社の検索エンジンの有意を確固たるものにする手段であり、OSの健全な競争の機会を奪っていると判断した。

 欧州委員会は、グーグルのアンドロイド端末上の欧州経済領域(EEA)でのサーチ広告サービス売上に基づき、制裁金を43億4,286万5000ユーロと算出。さらに90日以内に違法行為を停止するよう命じた。違法行為を続ける場合は、グーグルの親会社アルファベットの世界全体売上の最大5%を日々制裁金として追加する。

 この決定に対し、グーグルのサンダー・ピチャイCEOは同日、同社のホームページ上で反論。アップルのiOSを引き合いに出し、アンドロイド端末メーカーに対し多大な選択オプションを提示しており、結果的に消費者に対して選択肢の幅を広げることにより貢献していると強調した。また、プリインストールされているアプリは、グーグル提供のもの以外も含め約40あり、さらにプリインストール以外のアプリもいつでもアプリストアでダウンロードし、プリインストールアプリも削除できると主張した。この点については、欧州委員会は、プリインストールされているアプリを消費者は偏重的に使う傾向にあり、競争阻害要因と主張している。

 欧州委員会は2017年6月にも、グーグル検索エンジンでの検索結果で、自社のショッピングサービスの表示を優先したとしてグーグルに24億ユーロの制裁金も課している。

【参考】【EU】欧州委員会、グーグルに対し独占禁止法違反で約3,000億円の罰金。検索首位の地位乱用(2017年7月12日)

 米トランプ大統領も今回のEUの決定に抗議。自身のツイッター上で7月19日、「I told you so! The European Union just slapped a Five Billion Dollar fine on one of our great companies, Google. They truly have taken advantage of the U.S., but not for long!」とツイートした。

【参照ページ】Antitrust: Commission fines Google €4.34 billion for illegal practices regarding Android mobile devices to strengthen dominance of Google’s search engine

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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