パナソニックは7月20日、米国政府が経済制裁の対象としているキューバで産出されたコバルトを、テスラ向けの車載用電池に使用していることが発覚し、経済制裁に違反した可能性があると発表した。英紙ロイターが報じた。同社は、キューバ産コバルトの供給下となっているカナダ鉱山企業シェリット・インターナショナルとの取引を中止したと語ったという。
米政府は、1959年にキューバ革命が起り、カストロ政権が民間企業を国有化したことに反発し、国交を断絶。同時に、1962年からキューバとの貿易を禁止する経済制裁も発動している。渦中のキューバの鉱山は、米資源大手フリーポート所有だったが、キューバ革命後に国有化。その後、シェリット・インターナショナルとキューバ国営鉱山企業General Nickel Company of Cubaとの折半合弁企業所有となっている。パナソニックは、今年2月以降にテスラ「モデルS」と「モデルX」向けに販売した一部の車載用電池の正極材に、同鉱山産のものが含まれているという。
パナソニックは、テスラの車載用電池供給を一手に引き受けている。同社は三井金属鉱業からもコバルトを仕入れているが、そちらはフィリピン産の模様。
コバルト生産については、原産地以外にも、生産現場での人権侵害も問題になっている。さらに需要増に追いつかず需給が逼迫もしている。パナソニックは5月30日、電気自動車(EV)の車載電池の原料に使用しているコバルトを将来ゼロにする考えを表明した。
【参考】【日本】パナソニック、車載リチウムイオン電池でコバルト使用を将来ゼロに。米テスラも要望(2018年6月5日)
【参考ページ】Exclusive: Tesla's battery maker suspends cobalt supplier amid sanctions concern
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