【日本】東ガス、九電、出光興産、千葉県袖ヶ浦での石炭火力発電所新設を断念。NGO歓迎 2019/02/01 最新ニュース

【日本】東ガス、九電、出光興産、千葉県袖ヶ浦での石炭火力発電所新設を断念。NGO歓迎 1

 東京ガス、九州電力、出光興産の3社は1月31日、千葉県袖ケ浦市にある出光興産所有地を活用した石炭火力発電所の新設プロジェクトについて、「十分な事業性が見込めないとの判断」により、断念すると発表した。3社は、2015年5月に「株式会社千葉袖ケ浦エナジー」を共同出資で設立し、共同で開発を進めていた。

 同プロジェクトは、設備容量1GWの石炭火力発電所2基(合計2GW)を2020年代中頃に運転開始することを予定しており、完成すれば国内最大級。二酸化炭素排出量は年間約1,200万tにも及んでいた。しかし、石炭火力発電に対しては、国際的な気候変動対策に逆行するとして早くから地元住民や環境NGOが反対運動を展開し、環境省も慎重姿勢を求めていた。最近では、経済産業省も石炭火力発電に対し注文をつける状況になっていた。その結果、3社は、計画途中で、石炭と木質バイオマスを混焼する設備を追加する検討を開始。東京ガスは今回の決定に際し、「設備費が増加する一方、バイオ燃料の調達コストも高止まりしている。十分な事業性が得られないと判断した」と説明した。但し、石炭火力発電そのものについては、気候変動対策観点は「直接的には影響していない」と述べた。今後、九州電力と東京ガスは、燃料を石炭から液化天然ガス(LNG)に変え、ガス火力発電所としての開発を引き続き検討する。

 今回の決定に対し、同発電所新設に反対していた環境NGOの気候ネットワークは、「良識的かつ真っ当な判断であり、歓迎する」と表明。千葉県では、2017年3月に市原石炭火力発電所建設が、2018年11月27日に蘇我火力発電所の建設が中止となっており、今回を含めると県内3ヶ所の石炭火力の新規計画案件が全て中止。千葉県には既存の石炭火力発電所もなく、気候ネットワークは「結果的に千葉県が実質的に『脱石炭県』となったことも歓迎したい」としている。

【参考】【日本】環境大臣、千葉県蘇我での石炭火力発電所建設計画に対し懸念表明。市原でも建設中止(2017年3月24日)
【参考】【日本】中国電力とJFEスチール、蘇我火力発電所建設プロジェクトを中止。環境NGOは歓迎(2018年12月28日)

 袖ヶ浦石炭火力発電所新設への反対では、地元住民運動も大きな役割を果たした。地元の「袖ヶ浦市民が望む政策研究会」が中心となり、連日、長浦駅や袖ヶ浦駅でのチラシ配布などを粘り強く行い、地域住民に計画が地域に及ぼす影響などを訴えてきた。また、2017年から発足した「石炭火力を考える東京湾の会」では、東京ガスや出光興産の本社や袖ヶ浦事業所前でのバナーアクションなどを展開。東京ガスの社長宛にも「石炭火力の中止」を求めるはがきを送るキャンペーンも行い、株主総会時には東京ガス本社前(JR浜松町駅)でのバナーアクションを実施した。2018年8月10日に、東京ガスが「石炭はやめてLNGへの切り替えを検討する」と新聞報道があった後には、説得先は自ら炭鉱を所有していることや自社遊休地が建設予定地の適地となっている出光興産側にあると判断。2018年末からは出光興産に対しての反対アクションを展開していた。

【参照ページ】千葉県袖ケ浦市における火力発電所開発検討の内容変更について
【参照ページ】【プレスリリース】日本最大規模の袖ケ浦の石炭火力発電所建設計画が中止に ~CO2排出1,200万t/年の計画中止を歓迎!国内の計画中止は11基に~(2019/1/31)
【参照ページ】【プレスリリース】市原、千葉(蘇我)に続き、袖ケ浦の石炭火力計画中止を歓迎! ~東京湾岸の石炭火力は、残りJERAの横須賀の計画のみに~
【参照ページ】(仮称)千葉袖ケ浦火力発電所1,2号機建設計画に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出について
【参照ページ】経済産業省 株式会社千葉袖ケ浦エナジー「(仮称)千葉袖ケ浦火力発電所1,2号機建設計画計画段階環境配慮書」に対する意見について
【参照ページ】(仮称)千葉袖ケ浦火力発電所1,2号機建設計画(法対象事業)

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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