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【カンボジア】フン・セン首相、労働争議に対し対話での解決を要求。当局にも争議回避を指示

 カンボジアのフン・セン首相は2月21日、工場経営者に対し、労働争議を終了させ、従業員との対話を促すよう要求した。同時に、労働・職業訓練省に対し、労働争議を避けるため、全ての法的手続きを遵守するよう指示した。同国では、台湾アパレル大手の山華企業(W&D)が千人を超える従業員の一斉解雇を通達後、大規模ストライキが発生。同案件を含め労働権や人権侵害が認められるとEUが同国からの輸入免税措置を停止する検討に入っている。これまで当局の労働・職業訓練省は経営者側に与する判断を繰り返してきたが、政府首脳は対応の見直しを迫られてきている。

【参考】【カンボジア】アパレル大手工場、未払賃金要求ストライキ実施の従業員1200人を一斉解雇(2019年1月10日) 【参考】【EU】欧州委、カンボジアへの輸入関税撤廃優遇措置の一時停止手続開始。1年後に最終判断決定(2019年2月14日)

 渦中のM&D一斉解雇問題につき、経営者側の業界団体GMACは1月26日、M&Dの一斉解雇を合法的とし養護する声明を発表している。同声明によると、労働者側は、カンボジア労働・職業訓練省は2018年9月21日に発した給与⽀給の新ルールに関する「通達443」が規定する「年功補償金(Seniority Indemnity」の不当な支払いを要求しているという。年功補償金とは、退職金に相当する「解雇補償制度(Indemnity for dismissal)」に替わって導入された制度で、毎年6月と12月に、アパレル業界では給与の15日分ずつ、その他業界では給与の7.5日分ずつを企業が労働者に支払う制度。支払いは2019年1月から義務化された。同声明は、労働者側は2018年分の年功補償金を、まとめて1回で支払うことを要求しているとした。

 この事態に対し、フン・セン首相はこれまで、1回でのまとめ支給では、企業のキャッシュフローがもたず、800社以上が倒産するおそれがあるとし、労働者側に要求を撤回するよう命じていた。同時に企業側には一斉解雇した労働者の再雇用を促した。GMACの声明や労働・職業訓練省の発表によると、ストライキに参加した従業員の90%近くがすでに再雇用されている模様。

 その上でフン・セン首相は今回、労働者が刑事事件を起こした場合は裁判所が処理するが、労働争議については解雇ではなく対話で対応すべきと強調。経営者側は、労働者がいなければ操業できず、研修にも力を入れるべきとした。また労働者側に対しては、2月20日にカンダル州を訪れ34の工場で働く合計約1万人の労働者に向け企業側との対話を促した。

 W&Dからの商品を仕入れいている英小売大手マークス&スペンサーは2月22日、事態を注視していると回答。他の欧米企業も、第三者の専門家を現地に派遣し調査を行うなど対応に乗り出している。

【参照ページ】Press Release on W&D (Cambodia) Co., Ltd. 【参照ページ】PM: Stop firing workers as way to end disputes

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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