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【国際】PCAF、投融資カーボンフットプリント測定基準原案発表。デファクト化の動き。日本企業は未参加

 投融資カーボンフットプリント算出基準策定機関Partnership for Carbon Accounting Financials(PCAF)は8月3日、投資と融資のポートフォリオのカーボンフットプリント測定手法・ルール「Global Carbon Accounting Standard」の初版原案を発表した。策定作業には金融機関大手69社が参画した。最終発行に向け、9月30日までパブリックコメントを募る。

 投資ポートフォリオのカーボンフットプリント算出は、2014年9月に開催された国連責任投資原則(PRI)の年次総会で発表された「モントリオール・カーボン・プレッジ」以降、機関投資家からの注目を集め、さらに銀行も含めた投融資のカーボンフットプリントの測定と算出は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の中での指標把握の一環として重要性を増してきている。2019年の国連責任銀行原則(PRB)発足も、銀行の融資ポートフォリオのカーボンフットプリント開示に追い風となった。

 PCAFは、2015年に蘭ASN銀行の主導で発足し、銀行大手のABNアムロ、トリオドス銀行、官民出資の開発銀行FMO、運用大手のACTIAM、Achmea Investment Management、APG、MN、PGGM等ともにPCAFを運営してきた。2017年12月には、カーボンフットプリントの算定アプローチを定めたレポートを発表し、第1弾の作業を完成。その後、2019年に、グローバルでの影響力を高めるため、オランダ以外の金融機関を積極的に巻き込み、グローバル機関への変貌を遂げた。そして今回、グローバルでの投融資カーボンフットプリントの策定・ルールの原案発表に漕ぎ着けた。

【参考】【オランダ】金融大手12社、投融資のカーボンフットプリント測定ガイドライン策定(2017年12月22日)
【参考】【アメリカ】モルガン・スタンレー、融資カーボンフットプリント開示を宣言。米系銀行大手で初(2020年7月27日)

 今回の基準策定は、グローバル・コア・チームを中心に進められた。構成銀行は、米モルガン・スタンレー、米バンク・オブ・アメリカ、蘭ABNアムロ、トリオドス銀行、FMO、米協同組合型銀行アマルガメーテッド銀行、仏Credit Cooperatif、エクアドルのバンコピチンチャとProdubanco、パラグアイのVision Banco、ケニアのケニア商業銀行(KCB)、ナイジェリアのAccess Bank、南アフリカのファーストランド銀行、アイスランドのLandsbankinn、米投資運用ボストン・コモン・アセット・マネジメント、蘭投資運用Robeco。またPCAFには現在、69の金融機関が加盟しており、総運用資産額は9.7兆米ドル。日本を含めアジアの金融機関は加盟していないが、PCAFは中国の金融機関に積極的に参加を呼びかけている。

 今回発表の基準では、上場株式、債券、商業不動産ローン、不動産ローン、自動車ローン、プロジェクトファイナンスの6つのアセットクラスで基準を制定した。同基準の策定は任意だが、グローバルでのデファクト・スタンダードになる可能性が高い。

 PCAFは、2022年中旬に第2版を発行するスケジュールで動いている。
 
【参照ページ】First global standard drives financial institutions to measure and track the climate impact of their lending and investment portfolios
【基準】Global Carbon Accounting Standard

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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