英コラーキャピタルのジェレミー・コラー創業者が2015年に発足した機関投資家の畜産業関連イニシアチブ「Farm Animal Investment Risk and Return(FAIRR)」は11月11日、食品大手60社を対象に実施した環境・社会・健康格付「Coller FAIRR Protein Producer Index」の2020年結果を公表した。同イニシアチブには236機関、運用資産総額25兆米ドル(約2,600兆円)が加盟。同ラインキングは2018年から毎年発表されている。
FAIRRの加盟企業は現在、クレディ・スイス、ABNアムロ、カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)、カリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)、ニューヨーク州退職年金基金、PGGM、アリアンツ、フィデリティ・インターナショナル、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)、ピクテ、インベスコ、アムンディ、Mirova、ピムコ、AVIVA Investors、UBSアセット・マネジメント、アリアンツ・グローバル・インベスターズ、ニューバーガー・バーマン、アライアンス・バーンスタイン、シュローダー、Robeco、コムジェスト、ノーザン・トラスト・アセット・マネジメント、アバディーン・スタンダード・インベストメンツ、エイゴン・アセット・マネジメント、ボストンコモン・アセット・マネジメント、カルバート、ハーミーズ・インベストメント・マネジメント、Impax Asset Management、Robeco、トリリウム・アセット・マネジメント、トリオドス・インベストメント・マネジメント等。日本からは三井住友トラスト・アセットマネジメント、野村アセットマネジメント、りそなアセットマネジメントの3社が加盟している。
格付手法は、水産・畜産に関連するESG観点から10項目を評価。それに基づき、総合スコアを出し、ランキングとして発表している。「低リスク」評価はノルウェーのモウイ、カナダのメープル・リーフ・フーズ、フェロー諸島のBakkafrostのわずか3社のみ。大半を占める38社は「高リスク」と評価された。全体的にランキングに概ね変化はなく、昨年同様評価対象となった日本企業の日本水産、プリマハム、日本ハムは3社は依然「高リスク」と評価された。
全体としては、60社のうち78%は、スコープ1、スコープ2、スコープ3での二酸化炭素排出量削減目標を発表しておらず、畜産業に限定すると未発表は86%にのぼった。
代替プロテインでアクションを起こしている企業は、2018年は5社、2019年は15社、今年は22社と大きく増加。そのうち、メープル・リーフ・フーズのみは、2029年までに代替プロテインでの売上を30億米ドルにするという具体的な目標を掲げていた。
抗生物質項目で「高リスク」と評価された企業も42社と多かった。
【参照ページ】Coller FAIRR Protein Producer Index
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