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【アメリカ】政府、台湾プラスチックの世界最大級石油化学プラント建設の許可を一時停止。計画に暗雲

 米陸軍工兵司令部は11月4日、台湾化学大手の台湾プラスチック(台塑石化)がルイジアナ州で計画していた世界最大級の石油化学プラント建設プロジェクト「サンシャイン・プロジェクト」に対し、建設許可を一時停止。建設作業がストップした。米国では、歴史的経緯から陸軍工兵司令部が環境当局としての権限を持っている。同プロジェクトに関しては、大気汚染や気候変動の懸念が指摘されていた。

 同プラントは、米国でのプラスチック需要が増加することを見越し計画されたもの。総工費は100億米ドル(約1兆円)。建設場所は、同州のミシシッピ川流域セントジェームズ地区の「キャンサー・アリー」。敷地面積は971haで、規模は世界最大級。プロジェクトのフェーズ1では、年間でポリプロピレン60万t、線状低密度ポリエチレン40万t、エタンクラッカー120万t、エチレングリコール80万t、プロパン脱水素60万tを生産。フェーズ2では、エタンクラッカー120万t、高密度ポリエチレン40万t、線状低密度ポリエチレン40万t、エチレングリコール80万tの生産能力規模拡充を計画していた。

 同プロジェクトは、2020年から2025年までの間に、米国でのエチレンの設備能力需要が13%成長、同じく高密度ポリエチレンで15%、線状低密度ポリエチレンで36%成長することを想定し計画されていた。しかし同地域では、異常気象や洪水、海面上昇の懸念が著しく高い地域であり、また近隣の低所得者アフリカ系米国人のコミュニティにも大きな環境破壊をもたらすと環境NGOが早くから非難。対応が求められていた。また、同プラント建設には、ルイジアナ州政府も15億米ドル(約1,600億円)の減税措置が予定されていた。

 米国のメキシコ湾岸では、総額400億米ドル(約4.2兆円)の石油化学プラント建設計画が進んでいる。しかし近年、脱プラスチックの動きを受け、当初予定されていた需要の見通しが不透明になってきている。同州では中国の万華化学が進めていた総工費12.5億ドルの石油化学プラント建設プロジェクトの中止も決まっている。

【参照ページ】Falling Dominoes: USD 10 billion U.S. Formosa plastics facility licence suspended

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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