米連邦準備制度理事会(FRB)は12月15日、気候変動に関する金融リスクを検討するための中央銀行・金融当局団体「NGFS(気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク)」に加盟したと発表した。
【参考】【国際】中銀・金融当局連合NGFS、金融監督での気候変動リスク統合で5つの提言。データ分野でも作業開始(2020年5月28日)
米国では、民主党州の米ニューヨーク州金融監督局(DFS)が2019年9月にNGFSに加盟していたが、連邦政府レベルではFRBは1年前から会合には参加していたが、正式メンバーにはなっていなかった。背景には、気候変動に懐疑的なトランプ大統領への忖度があったが、2021年1月に売電新政権誕生が濃厚になったことで、今回加盟に踏み切ったと考えられる。
【参考】【アメリカ】ニューヨーク州金融監督局、米国初のNGFS加盟。加盟43機関に増加。SIFにも加盟(2019年9月27日)
FRBは11月の金融安定報告書の中でも、気候変動による金融リスクを初めて主張し、資産価値暴落に警鐘を鳴らしている。
【参考】【アメリカ】FRB、金融安定報告書を公表。気候変動を初めてリスク認識。資産価値暴落を警鐘(2020年11月11日)
NGFSは2017年に、英イングランド銀行、ドイツ連邦銀行/独連邦金融監督庁(BaFin)、フランス銀行/仏健全性監督機構(ACPR)、オランダ銀行、スウェーデン金融監督機関、中国人民銀行、シンガポール通貨金融庁、メキシコ銀行の中央銀行8行で発足。EUが進めている気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言の金融監督行政への反映へ、低炭素経済分野のタクソノミー(定義)を支持するとともに、中央銀行自身の投資ポートフォリオ運用でもESG投資を推進することを提唱している。
NGFSには現在までに、さらに、日本、米国、カナダ、スイス、EU、イタリア、スペイン、ポルトガル、ベルギー、ルクセンブルク、モナコ、ポーランド、スロバキア、オーストリア、スロベニア、ハンガリー、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランド、リトアニア、ラトビア、エストニア、リトアニア、ルーマニア、ギリシャ、キプロス、アイルランド、マルタ、ロシア、ジョージア、アルメニア、イスラエル、アブダビ、ドバイ、エジプト、モロッコ、香港、韓国、マレーシア、インドネシア、タイ、カンボジア、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、チュニジア、モーリシャス、セイシェル、ブラジル、チリ、コロンビア、パラグアイ、ウルグアイ、コスタリカ、米ニューヨーク州、英王室属領ガーンジー代官管轄区、英王室属領マン島、西アフリカ諸国中央銀行等、83の金融監督当局が加盟し、13の国際機関がオブザーバー参加している。
【参照ページ】Federal Reserve Board announces it has formally joined the Network of Central Banks and Supervisors for Greening the Financial System, or NGFS, as a member
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