EUの欧州環境庁(EEA)は4月15日、政府関係者向けに、気候変動適応と防災・減災での自然を軸としたソリューション(NbS)の展開に関する最新情報をまとめたレポートを発表した。NbSによる社会便益についてもまとめた。
今回のレポートは、気候変動、生物多様性喪失、生態系劣化が相互作用を起こしながら、経済と社会の安定化、及び健康・ウェルビーイングに大きな打撃を与えるメカニズムを解説している。EUは2020年に「2030年生物多様性戦略」を採択。またEUの気候変動適応戦略の中でも、NbSを重視する姿勢を打ち出している。
【参考】【EU】欧州委、2030年生物多様性戦略を採択。2030年までに陸域・海域30%以上を保護区化(2020年5月21日)
【参考】【EU】欧州委、EU気候変動適応戦略2021を策定。データ重視鮮明。途上国政府への支援も加速(2021年3月14日)
同レポートでは、水インフラ、森林マネジメント、農業・アグリフォレストリー、都市インフラ、沿岸インフラでのNbS事例も紹介。その上で、今後の重要アクションとして、EU規模でのNbSの既存プロジェクト及びポテンシャルのマッピングや、NbSに関する定量目標や指標の設定、技術要件やスタンダードの策定、ステークホルダー間の利益相反を解消するためのダイアログの実施等を挙げた。
同レポートは、NbSは、自然に依存したソリューションのため、気候変動が進めばNbSそのものも機能しなくなっていくことも考慮に入れる必要があることも伝えた。
【参照ページ】Nature-based solutions should play increased role in tackling climate change
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