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【国際】BASFとRWE、洋上風力での電気加熱式化学工場の実現で提携。中国では正極活物質生産で合弁

 化学世界大手独BASFと独電力大手RWEは5月21日、2GWの洋上風力発電所を建設し、ドイツ・ルートウィヒスハーフェンのBASF工場へ電力とグリーン水素を供給するプロジェクト構想を発表した。現在化石燃料で賄っている化学工場の熱エネルギーを電気で代替する。

 BASFは、石油化学プロセスで必要な熱エネルギーを電気エネルギーで供給する電気加熱式蒸気分解炉の技術を、すでにサウジ基礎産業公社(SABIC)やリンデと共同で開発している。今回のRWEとのプロジェクトでは、必要な電気エネルギーを洋上風力発電で発電するという計画。実現すると、二酸化炭素排出量を、プロジェクト全体で年間380万t、BASFのルートウィヒスハーフェン工場だけでも年間280万t削減できる。

【参考】【国際】BASF、SABIC、リンデ、ナフサクラッカーの熱を再エネ電力調達する実証で提携(2021年3月26日)

 BASFは、今回の構想の実現に向け、ドイツ政府に対し適切な規制フレームワークでの後押しを求めた。特に、再生可能エネルギー目標の引上げと、2030年以降の洋上風力発電所建設海域への入札プロセスの明確化を求めた。またグリーン水素やブルー水素に関する規制フレームワークを定めるとともに、グリーン電力に対しては、再生可能エネルギー法(EEG)の賦課金管理枠組み(Levy Control Framework)の適用を免除することも求めた。

 またBASFは5月20日、中国リチウム電池製造シャンシャン(寧波杉杉股分)との間で、正極活物質(CAM)と前駆体(PCAM)の生産合弁会社設立で合意した。出資比率はBASF51%、シャンシャン49%。晩夏までには、関連当局の承認を得る見込みで、中国で生産する。

 シャンシャンは、中国湖南省寧夏回族自治区にCAMおよびPCAM製造拠点4ヵ所を操業しており、2022年までの年間生産能力は90t。BASFは、中国での合弁会社設立で、自動車業界へのCAMサプライヤーとしての強みを強化。中国を含む世界中の顧客向けに統合サプライチェーンを構築する。BASFは持続可能な原料調達を進めており、2015年には戸田工業と合弁会社BASF戸田バッテリーマテリアルズも設立。2022年までに全ての主要市場でCAM製造能力で首位を狙う。

【参照ページ】BASF and RWE plan to cooperate on new technologies for climate protection
【参照ページ】BASF and RWE plan to cooperate on new technologies for climate protection
【参照ページ】BASF and Shanshan to form a joint venture serving the largest battery materials market, China
【画像】RWE

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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