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【イギリス】政府、洪水・海岸侵食対策で7900億円。過去最大。住宅単位での対策も強化

 英環境・食糧・農村地域省は7月29日、「洪水・海岸浸食投資計画」を発表。洪水及び海岸侵食への対策に、今後6年間で総額52億ポンド(約7,900億円)を投じると発表した。前6カ年の予算額から倍増させる。新6カ年計画では、2027年までに住宅33.6万世帯を保護し、320億ポンド(約4.9兆円)の経済損失を回避できるという。国内の洪水リスクを最大11%低減する。

 今回発表の計画では、まず、8.6億ポンド以上を2021年度にかけて投じ、イングランド全土1,000ヶ所以上の治水対策を行う。対策予算は前年度から2.5ポンドも増え、年間投資額としては過去最大。特に、近年度重なる洪水に見舞われているヨークシャー・ハンバー地域で4,000万ポンドを増額し、昨冬のストーム・クリストフで最も大きな被害を受けた北西部でも5,300万ポンドを増額する。6カ年での予算配分では、秋に検討会を開催し、地域の状況を評価する。

 また、住宅レベルでの対策も講じる。英国では、洪水リスクのある住宅の保険加入を支援する公的制度「洪水再保険」が展開されているが、今後は、有孔れんがカバー、洪水対策用ドア、耐水性石膏ボード等を用いた洪水対策を施している住宅には、保険料を減額する。さらに政府は、2022年末までに、不動産単位での洪水対策の内容を検討し、「不動産洪水レジリエンス・ロードマップ」として発表する予定。

 住宅建設計画では、同省、住宅・コミュニティ・地方政府省(MHCLG)、環境庁による決定を検証したところ、前年度の住宅計画決定のうち、3%に相当する866戸が環境庁の洪水リスク助言に反して許可が出されていたことが判明した。今後、地方自治体の当局に向け遵守を徹底するガイダンスも発行していく。

 さらに環境庁は、地方自治体と協力し、2022年夏までに、地表水の洪水リスクマップを改訂し、最もリスクの高い330万人と140万戸の住宅に重要情報を提供する。

 英政府では他にも、洪水対策に予算を投下している。2020年7月には、1.7億ポンドを投じ、22個の洪水対策インフラプロジェクトを開始。地方企業1万者、従業員10万人の保護を進めている。また、革新的な治水手法の開発のためにも2億ポンドを投じ、25ヶ所で新たな試みもスタート。自然生態系を活用した治水にも6.4億ポンドを投じている。

【参照ページ】More than 1,000 flood schemes to benefit from record investment

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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