プラスチック世界大手オーストリアのアルプラは5月2日、ミネラルウォーター大手オーストリアのヴェスラウアーと協働し、リターナブル・ペットボトル容器を開発したと発表した。ガラス瓶との比較で、容器の重量を約90%軽量化。二酸化炭素排出量を約30%削減できる。
同社は2010年、オーストラリアのプラスチック・マテリアルリサイクル開発スタートアップで、2005年に創業したPET Recycling Teamを買収。同社グループの中で、プラスチック・リサイクル事業を担当し、すでに世界各国でプラントを持っている。アルプラは2018年、再生PET(rPET)のみを原料とした容器を開発済み。2020年には、オーストリアのヴェラースドルフとポーランドのラドムスコにあるPET Recycling Teamの工場を、再生可能エネルギー電力に転換し、バージンプラスチックに比べ最大で二酸化炭素を90%削減した上で、残りの排出量をカーボンクレジット購入でオフセットし、カーボンニュートラル型の再生PET(rPET)生産も実現した。
【参考】【オーストリア】アルプラ、CO2ゼロの再生ペットボトル生産を実現。再エネとオフセット活用(2020年10月21日)
今回の発表では、使い捨てではなく、リターナブル・ペットボトルを開発。返却して、洗浄し、飲料を最充填できるタイプで、最低でも12回、3年から4年間使い続けることができるという。リターナブル・ペットボトルは、以前からも業界で可能性は追求されいてたが、使い続けることで味の問題等があり、品質面での課題があった。
今回の商品は、オーストリアのエコラベルも取得した。重さはわずか55g。デポジット制を活用して回収し、再度商品を充填して、販売する。アルプラとヴェスラウアーは、これまで、使い捨てペットボトルをマテリアルリサイクルをして再資源化していたが、今回の1lリターナブル・ペットボトルに転換していく。これにより、ヴェスラウアーは、年間で原料約400tと、二酸化炭素排出量を420t削減できる見込み。
また同社は、今回開発したリターナブル・ペットボトルを、単一のPETだけを素材とすることに成功。寿命を迎えた後も、マテリアルリサイクルが可能。
【参照ページ】ALPLA AND VÖSLAUER REDUCE CARBON FOOTPRINT WITH RETURNABLE PET
【画像】ALPLA
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