【国際】SABIC、海洋プラごみのケミカルリサイクルでPBT樹脂製品開発。家電製品等での活用期待

　石油化学世界大手サウジ基礎産業公社（SABIC）は5月16日、海洋廃ポリエチレンテレフタレート（PET）ボトルをケミカルリサイクルで再生したポリブチレンテレフタレート（PBT）樹脂「LNP ELCRIN WF0061BiQ」の販売を開始すると発表した。

　LNP ELCRIN iQは、同社が2019年に発表した廃棄プラスチックからのケミカルリサイクルで製造するPBT樹脂製品シリーズ。今回発表したLNP ELCRIN WF0061BiQは、同シリーズの新製品。コンピュータのファンハウジングや自動車のシート、電気コネクタやエンクロージャ等での活用が期待される。

　原料とする廃PETボトルは、海岸から50km以内の内陸部で回収。SABICのケミカルリサイクル技術により、バージンPBT同等の難燃性、耐熱性、強靭性、剛性、流動性を実現した。米環境NGOのClean Production Action（CPA）作成の化学物質安全性ベンチマーク評価「GreenScreen for Safer Chemicals」では、4点満点中3点以上を取得できる見込み。

　同社は他にも、同製品シリーズで、プレコンシューマーリサイクルガラス繊維を原料にした製品「LNP ELCRIN WF006XXPiQ」と「LNP ELCRIN WF0061XPiQ」も発表。工業プロセスで発生した廃棄物を活用することで、サーキュラーエコノミーを促進する。

【参照ページ】SABIC LAUNCHES NEW UPCYCLED LNP™ ELCRIN™ IQ RESIN MADE WITH OCEAN-BOUND PLASTIC WASTE TO HELP REDUCE POLLUTION AND SUPPORT CIRCULARITY
【画像】SABIC

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所