旅行プラットフォーム世界大手米エクスペディア・グループは9月13日、グローバル・ソーシャルインパクト&サステナビリティ戦略を発表した。「サービスを十分に受けていない旅行者のアクセスの向上」「旅行経済の民主化」「旅行の未来のためのサステナブルソリューションの革新」の3つの優先事項を掲げた。
同社は5月、新たな事業戦略「Expedia Group Open World」を発表。今後の事業開発の方向性として、「優れた旅行者体験を提供するパートナーに報いる市場への再考」「予約の信頼性を高めるために正しい情報を提供するテクノロジー開発への集中」を宣言。旅行業界での自社のポジションニングを再定義するとしていた。
市場の再考では、旅行者の評価の高いホテルに予約が集中するよう、旅行者のレビューやカスタマーサービス等の複数の項目でホテルにスコアを付与する仕組みを構築する。スコアの高いホテルは、検索でも上位表示される。これにより各ホテルがサービスの質を向上するように仕向ける。
さらにテクノロジー開発では、フライト価格の過去トレンドと将来価格予測を表示する「プライス・トラッキング」、フライトやホテルでの比較検討を容易にする「スマート・ショッピング」、旅行計画のダッシュボード機能「トリップボード」の3つをリリースした。
今回のグローバル・ソーシャルインパクト&サステナビリティ戦略は、Expedia Group Open Worldを通じ、社会及び環境へのプラスのインパクト向上を狙っている。
まず、サービスを十分に受けていない旅行者のアクセスの向上では、障害者やLGBTQIA+が旅行体験を向上できるようにするための検索条件等を追加。さらに、それ以外の社会的弱者への旅行アクセス向上に資する活動を展開するNGO等への寄付も行う。
旅行経済の民主化では、旅行産業の中小企業や、社会的弱者の旅行体験向上を進める企業に対する支援を強化する。近日中に関連プログラムを発表する。
サステナブルソリューションでは、旅行産業が自然環境にダメージを与えている影響を認識。観光地のマーケティング組織(DMO)等に研修や実践的ガイダンスを提供することで、旅行産業での環境サステナビリティを追求する。同社としても、すでに長期的な気候変動ロードマップを策定しており、トラバリスト連合への加盟や、「観光業における気候変動対策に関するグラスゴー宣言」に署名している。
【参照ページ】EXPEDIA GROUP LAUNCHES NEW GLOBAL SOCIAL IMPACT & SUSTAINABILITY STRATEGY
【参照ページ】EXPEDIA GROUP UNVEILS NEW STRATEGY TO SERVE TRAVELERS, PARTNERS, AND THE INDUSTRY
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