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【フランス】ホルシム、ProximA TechZero採用の低炭素セメント販売開始。CO2排出量50%削減

 スイス建築材料製造ホルシムは2月13日、フランスのサンピエール・ラ・クールにあるセメント添加剤工場の操業を開始し、二酸化炭素排出量を標準的なセメント(CEM I)比で50%削減した欧州初の低炭素セメント「ECOPlanet」の販売を開始すると発表した。同プロジェクトは、フランスでの化学・素材業界の脱炭素化ロードマップ「France Relance」の一環で、同国政府から資金援助を受ける。

【参考】【フランス】政府、化学・素材業界のCO2削減ロードマップ発表。2030年までに2015年比26%減(2021年6月5日)

 同社は、子会社ラファージュ・フランスを通じ、サンピエール・ラ・クール工場に4,000万ユーロ(約57億円)を投下し新ラインを建造。同社独自技術「proximA Tech」を活用した低炭素セメントを年間最大50万t生産予定。2024年までに、サンピエール・ラ・クールのセメント生産量の約30%をECOPlanetが占めるようになる計画。

 proximA Techは、工場付近に豊富に存在するカオリン粘土を、セメント製造用の低炭素型添加剤として使用。これにより800℃前後の低温での焼成が可能となる上、石灰石と異なり二酸化炭素をほとんど排出しない。さらに、工場でのエネルギーでは、100%バイオマス燃料と廃熱回収システムを採用することで、エネルギーのカーボンニュートラル化も達成。これにより、カーボンフリー添加剤「proximA TechZero」を生産できるようになった。サンピエール・ラ・クールで生産された活性粘土は、ブーシュ・デュ・ローヌにあるラ・マル工場にも送られ、合計で2024年までに200万t以上の低炭素を生産できる見通し。

 同社は2021年10月、2050年カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)達成目標について、SBTiのネットゼロ・スタンダード承認を得た最初の7社の一つ。その後、さらにセメント業界に特化したロードマップを作成し削減基準そのものを固める必要があると判断し、SBTiに資金を拠出し、セメント業界特化型の新基準の策定。2030年までにスコープ1とスコープ2では、セメント建材1t当たりの原単位排出量を2018年比25%削減する目標等も設定している。

 ラファージュ・フランスは、サンピエール・ラ・クール工場で生産されるECOPlanetセメントを、主にパリとイル・ド・フランスの他、フランス西部に建材として供給される予定です。2026年までに、ECOPlanetはラファージュ・フランスの全セメント生産量の30%を占めるようになるという。

【参考】【国際】ホルシム、2030年CO2削減目標引上げ。SBTiセメント業界新基準での承認第1号(2022年11月11日)

 ホルシムは、低炭素型セメントを「ECOPlanet」のブランド名で各国展開する戦略を進めており、すでに約20ヶ国以上で展開を完了しているが、各々の市場で異なる製法にチャレンジしている。フランスでは、カオリン粘土を添加剤に使用した独自のProximA Techプロセスで工場を建設。イタリアでは焼成粘土、ドイツではスラグセメントで低炭素化を実現。米国では、米軍と解体廃棄物の利用についての研究プロジェクトを発表している。

【参照ページ】HOLCIM LAUNCHES EUROPE’S FIRST CALCINED CLAY LOW-CARBON CEMENT OPERATION
【参照ページ】Lafarge France announces the commissioning, in Saint-Pierre-la-Cour (53), of the first production line in Europe entirely dedicated to activated clay.

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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