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【イギリス】政府、核融合発電所建設で新会社設立。ジェネラル・フュージョンとの実証工場も建設へ

 英ビジネス・エネルギー・産業戦略省は2月9日、ノッティンガムシャー郡ウェスト・バートンでの核融合エネルギープロトタイププラントの事業促進会社として「UK Industrial Fusion Solutions(UKIFS)」を設立した。

 同省の英国原子力公社(UKAEA)は2021年10月14日、核融合型原子力発電所の候補地5ヶ所を発表。2022年10月には、ウェスト・バーンを最終候補地に決定し、核融合エネルギー生産のための球形トカマク(STEP)工場建設の第1フェーズに、2.2億ポンドの予算を投下し、2024年までにコンセプトデザインを作成することになっている。最終的には、2040年までに建設を完了し、核融合発電を開始する計画。

【参考】【イギリス】原子力公社、核融合原発のプロトタイプ建設で候補地5ヶ所を発表。公募の結果(2021年10月18日)

 ノッティンガムシャー州ウェストバートンにある英国初の核融合エネルギーの実証工場の建設予定地を訪れた科学大臣は、エネルギー企業や投資家に対し、核融合エネルギーが英国と世界の双方にとって大きな可能性を持っていることを認識するよう促した。

 今回のプロトタイプでは、磁場閉じ込め方式を採用。2種類の水素の混合物を太陽の核の10倍の高温に加熱し融合させ、ヘリウムを生成して膨大なエネルギーを作り出す。その過程で膨大な核融合エネルギーが発生する。

 英政府は、将来核融合を10億ポンドの産業へと発展させ、ノッティンガムシャー郡を中心に、英国内に数千の雇用を生み出すとしている。同郡は元々炭鉱で栄えており、新産業での成長が期待されている。

 新会社UKIFSは、プログラム・マネジメント組織として機能する。加えて、ウェスト・バートンにはSTEPスキルセンターも設立し、人材育成にまでつなげる。

 UKAEAは別途1月、南オックスフォードシャー郡のカルハム・キャンパスで、核融合スタートアップのジェネラル・フュージョンと進めている実証実験施設の建設を今夏に開始すると発表。核融合装置の試運転を2026年に開始し、2027年初頭には完全稼働する予定。

【参考】【イギリス】原子力エネルギー庁、核融合実証炉建設でジェネラル・フュージョンと合意。2025年運転開始計画(2021年6月30日)

 ジェネラル・フュージョンは、磁場閉じ込め方式と慣性閉じ込め方式の両方を組み合わせた磁化標的核融合(MTF)型の核融合を追求している。実証施設では、商用発電所の70%のサイズで建設され、発電所と同等の環境で核融合条件を作り出し、1億度以上の温度を達成する予定。同施設自体では発電までは行わない。

 同施設では、周囲の生物多様性を高めることを狙い、BREEAMエクセレント認証を取得しにいく。廃熱の再利用、冷房負荷を最小化する自然換気、大きな緑の屋根、大規模な太陽光発電等を組み合わせる。

【参照ページ】UK takes major STEP towards near limitless, low-carbon energy
【参照ページ】General Fusion’s fusion energy demonstration receives consent
【参照ページ】Site of UK’s first fusion energy plant selected

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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