フィンランド石油化学大手ネステ、フィンランド配管・暖房系統提供ウポノール、廃棄物マネジメント英Wastewise、オーストリア化学ボレアリスの4社は2月14日、製造残渣プラスチックをケミカルリサイクルして得た再生原料を活用し、架橋ポリエチレン(PEX)パイプの製造に成功したと発表した。原料には、PEXパイプ製造時に排出される廃棄物を活用。マスバランス方式を採用し、ISCC PLUS認証も取得した。
PEXパイプは、堅牢性、耐熱性、製品寿命が高く、エネルギー効率の高い暖房や安全な配管で多く使われている。しかし、ポリマー鎖が相互に結合しているため、従来技術ではリサイクルがほぼ不可能だった。今回のプロジェクトでは、ケミカルリサイクルによりリサイクル困難な廃プラスチックを高品質ポリマー原料に転換し、サーキュラーエコノミー化を実現する。
Wastewiseは、熱分解による新たなケミカルリサイクル技術で、ウポナーのPEXパイプ製造工程から出る産業廃棄物を液化。ポリマーを還元し、オイル状のリサイクル中間体を生成する。ネステは同液体を、フィンランド・ポルボーにある同社石油精製工場で共同処理。ポリマー生産に必要な高品質ドロップイン原料「Neste RE」を生成する。
その後ボレアリスは、同社スチームクラッカーで「Neste RE」をポリエチレンに重合し、同社ケミカルリサイクル製品「Borcycle C」の一部として活用。ウポノールは、このポリエチレンを活用し、新たなPEXパイプを開発した。PEXパイプは、建築分野での暖房、給排水、冷房に使用でき、飲料水システム等にも適している。
4社は廃棄物処理に留まらず、さらなる協働機会も模索するという。
【参照ページ】Neste, Uponor, Wastewise Group and Borealis enable chemical recycling of hard-to-recycle plastic waste into new high-quality plastic pipes
【画像】Neste
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