化粧品世界大手仏ロレアルは4月21日、同社インパクト投資基金「L’Oréal Fund for Nature Regeneration(LFNR)」を通じ、NetZero、ReforesTerra、Mangrovesの3者に資金拠出すると発表した。土壌中の炭素回収、森林再生、マングローブ再生等で環境と地域社会に広くポジティブ・インパクトを与える可能性を評価した。
同社は、2020年6月に同基金を設立。仏金融大手ナティクシス子会社Mirovaが運用を担い、基金規模は5,000万ユーロ(約75億円)。現在、2030年までに10km2の土地再生、二酸化炭素1,500万tから2,000万tの吸収、数百人の雇用創出を目標として掲げている。
【参考】【国際】ロレアル、サーキュラーエコノミー拡大でイノベーションファンド設立。210億規模(2022年4月30日)
NetZeroは、カメルーンやブラジル等の熱帯地域で活動するフランスの気候変動ベンチャー企業。農業残渣をバイオ炭にすることで大気中の炭素除去を行っている。バイオ炭は安定した無公害の炭素で、劣化した土壌の改善に活用可能。IPCCからも、二酸化炭素排出量を年間10億tから20億t除去する可能性のあるソリューションとして認識されている。
ReforesTerraは、南米アマゾン地域最大の課題の一つである放牧で劣化した土地20km2の再生プロジェクト。今回の助成金のうち75%は、ブラジル・ロンドニア州リオ・ジャマリ下流域で零細事業者が植林を行い、自然再生に有利な環境を整えることに投下。残り25%は、戦略的に植林を行い、野生動物の繁殖を促進する。同プロジェクトは、同国最大規模の植林・再植林・緑化(ARR)プロジェクトの一つ。
Mangroves.Nowは、過去30年間にマングローブ林伐採の影響を最も受けてきたバングラデシュ、インド、スリランカ等でマングローブを再生するプロジェクト。地域NGOとの小規模なプロジェクトに資金を提供し、荒廃した土地約200km2の回復を目指す。
【参照ページ】L'Oréal fund for nature regeneration accelerates biodiversity preservation efforts
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