
世界経済フォーラム(WEF)と持続可能な発展を目指すグローバル企業団体WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)が運営する自然を軸としたソリューション(NbS)促進イニシアチブ「自然気候ソリューション(NCS)アライアンス」は5月13日、気候変動に加え、生物多様性までを視野に入れた自然気候ソリューション(NCS)クレジットを購入する企業向けにNCSプロジェクトについて概説したガイダンスを発表した。
WBCSDは2022年11月、自然気候ソリューション(NCS)の定義として、NbSを通じ、気候変動と生物多様性の双方を解決しながら、気候変動緩和を実現するソリューションと定義。2022年9月には経営陣向けに概説ガイドを、2023年3月には(NCS)クレジットを購入する企業のための実践ガイダンスを発表していた。
【参考】【国際】WBCSD、気候変動対策でNbSを重視すべき。気候変動、自然、公平性の同時解決必要(2022年11月14日)
【参考】【国際】世界経済フォーラムとWBCSD、NCSクレジット購入に関するガイダンスを発行。8つのステップ(2023年3月19日)
今回の発表は、NCSクレジットの購入を検討する企業向けにNCSプロジェクトについて具体的な理解を促進することが目的。クレジットが発行されるまでのプロジェクト開発者と関連コミュニティのプロセス、アクションについてまとめた。
NCSクレジットが販売されるまでのプロセスを「プロジェクト初期」「フィジビリティ」「プロジェクトデザイン」「プロジェクト活動の実施」「クレジット発行」の5つのステップに分けて概説した。
(出所)WBCSD
同報告では、NCSプロジェクトの種類は、森林減少および森林劣化による排出削減(REDD+)、IFM(改善された森林管理)、植林、再植林、緑化プロジェクト(ARR)、放牧地管理の改善、ブルーカーボン、土壌有機炭素(SOC)等があり、気候変動に関する対策だけではなく、生物多様性や地域社会にも利益をもたらすような統合されたプロジェクトが多いことが特徴。価格の高さがクレジットの質の高さやインパクトの大きさに比例しているものではないため、NCSクレジットの購入者は価格以外の価値がどこに、どれだけもたらされるのかを慎重に見極める必要があるとした。
【参照ページ】Natural Climate Solution Carbon Credits: The role of project developers and communities
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