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【日本】国交省、自動車大手5社の型式指定申請で不正行為公表。6車種出荷停止

 国土交通省は6月3日、トヨタ自動車、マツダ、ヤマハ発動機、本田技研工業、スズキの5社で型式指定申請における不正行為が行われていたと公表した。

 国土交通省は、2023年4月に内部通報を契機に発覚したダイハツ工業等の不正事案を踏まえ、型式指定を取得している自動車メーカー等85社に対し、型式指定申請における不正行為の有無等に関する調査・報告を指示していた。その結果、5月末までに自動車メーカー大手5社で不正行為が行われていたことがわかった。

 5月末時点では、68社の調査が完了。不正行為なしが64社、不正行為ありがマツダ、ヤマハ発動機、本田技研工業、スズキの4社。調査継続中が17社で、そのうち現時点で不正行為が判明したのがトヨタ自動車だった。

 不正行為の内容は、トヨタ自動車が現時点で判明している範囲で、現行生産車3車種の歩行者保護試験に関する虚偽データの提出等、過去生産車4車種の衝突試験における試験車両の不正加工等。マツダが現行生産車2車種の出力試験におけるエンジン制御ソフトの書換え、過去生産車3車種の衝突試験における試験車両の不正加工。ヤマハ発動機は、現行生産車1車種の騒音試験における不適正な試験条件での実施、過去生産車2車種の警音器試験における試験成績書の虚偽記載。本田技研工業は、過去生産車22車種について、騒音試験における試験成績書の虚偽記載等。スズキは、過去生産車1車種の制動装置試験における試験成績書の虚偽記載。

 国土交通省は5社に対し、同省の基準適合性を確認するまで、不正行為のあった車種の出荷停止、最終的な調査結果を速やかな提出、ユーザー等への丁寧な説明や対応に努めることを指示。また今後、不正行為の報告があった5社に立入検査を行い、不正行為の事実関係等の確認を行う他、国土交通省と自動車技術総合機構(NALTEC)で不正行為のあった車種の基準適合性を速やかに確認し、立入検査及び基準適合性の確認結果を踏まえ、道路運送車両法に基づき厳正に対処するとした。

 出荷停止となったのは、トヨタ自動車が、カローラ・フィールダー、カローラ・アクシオ、ヤリスクロスで、累計台数は170万台。マツダが、ロードスターRF、マツダ2で累計、台数は15万台、ヤマハ発動機は、YZF-R1で、累計台数は7,500台。本田技研工業とスズキに関しては、不正行為が行われていた現行生産車種がなく、出荷停止はなかった。

 また、自動車業界では、日野自動車による車両エンジンの排出ガス不正行為、日産自動車による自動車部品製造の下請事業者に「割戻金」を負担させる下請法違反等、昨今問題が相次いでいる状況がある。

【参考】【日本】公取委、日産自動車に下請法違反で勧告。部品サプライヤーの割戻金負担で(2024年3月10日) 【参考】【日本】日野自動車、日本市場向け車両エンジンでも不正発覚。出荷停止(2022年3月6日)

 下請法違反を受け、日本自動車工業会(自工会)は5月31日、適正取引に関する自工会方針に基づき、「適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画」およびその実効性を高める「徹底プラン」を改訂したと発表した。

 記者会見では、自工会会長を務めるいすゞ自動車の片山正則会長が、下請け取引についての緊急点検を実施する中で、一部の会社で不適切な行為が行われている疑いも指摘されていたとも説明。原材料費/エネルギー費の上昇分について、適切なコスト増加分の全額転嫁を目指す他、労務費について、仕入先と十分に協議のうえ適正に価格転嫁する方針とした。

 また、自工会の「ビジョン」については、G7環境・エネルギー相会合にも触れ、「道路部門の脱炭素化に向けて、マルチパスウェイの有効性や、保有車両からのCO2を削減する重要性が改めて示され」たと強調。「日本の強みは、大型車から軽、二輪車のフルラインナップ」とし、「各社がマルチパスウェイで技術開発を進めることで、CO2を「今すぐ・みんなで」減らす」とした。

 日産自動車に関しては、3月10日に公正取引委員会が日産自動車に対して勧告を発出した後も、下請法違反を続けているという報道があり、同社側は社内調査を開始。日産自動車の内田誠代表執行役社長兼CEOが5月30日に下請法違反事案で記者会見を実施し、社内調査の結果を報告している。記者会見では、報道されていたものと同一の事実は調査からは確認されなかったものの、一部については事実が確認されたとの趣旨の説明を行った。そのうえで、「強い責任感と覚悟を持って、今後、社内のプロセス企業風土の改革を率先して進めていくことを、今日この場で皆様にお約束いたします」と表明した。

 同記者会見で、内田社長は、公正取引委員会からの3月の勧告を受け、4月から6月までの間、自身の月次報酬を30%自主返上していることも明らかにした。

【参考】【国際】G7環境・エネルギー相会合、天然ガス投資を制限。G7水連合創設。アパレルサーキュラーも(2024年5月2日)

【参照ページ】型式指定申請における不正行為の有無等に関する自動車メーカー等の調査報告の結果等について 【参照ページ】適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画と徹底プランの改訂について 【参照ページ】自工会 記者会見を実施

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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