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【中南米】メタ、熱帯雨林再生でカーボンクレジット最大390万トン購入契約。グーグルも5万トン

 IT世界大手米メタ・プラットフォームズは9月18日、ブラジル投資銀行BTGパクチュアル・ティンバーランド・インベストメント・グループ(TIG)から、最大390万tの除去・吸収型カーボンクレジットを購入することで合意した。自然を軸としたソリューション(NbS)による除去・吸収型のカーボンクレジット購入を強化する。

 今回の契約は、中南米での熱帯雨林再生で創出したカーボンクレジットを2038年までに130万t、さらに追加で260万tの購入オプションをつけたもの。カーボンクレジットの購入規模では史上最大の規模となった。

 BTGパクチュアルTIGは、中南米に10億米ドル(約1,400億円)を投資し、土地利用変化で喪失した熱帯雨林を135,000ha自然林に再生することを目指している。さらに荒廃した別の元森林地135,000haを人工林に再生し、森林管理協議会(FSC)の基準で独立認証された木材を生産する商業用林業地に転換するプロジェクトも行う。特に、熱帯雨林から牧草地や農地に転換されたブラジルのカンポ・セラードでも熱帯雨林再生を目指す。

 創出するカーボンクレジットは、これらの熱帯雨林再生プロジェクトから供給される。同プロジェクトは、国際環境NGOコンサベーション・インターナショナル(CI)がインパクト・アドバイザーを務める。林業により農村地域にも代替雇用を提供していく。すでにBTGパクチュアルTIGは、自然林再生に向け37,000haに投資し、約2,600haに700万本以上の植樹を完了。隣接する大規模自然林まで約5kmの緑に回廊を形成し、最終的には約1万haの自然生息地をつなぐことになると期待されている。

 グーグル、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、セールスフォースの4社は5月、2030年までに最大2,000万tの自然由来の炭素除去カーボンクレジットを購入するイニシアチブ「シンビオシス連合」を組成。質の高いクレジットの購入にコミットし、市場形成を後押しするアクションを開始している。

【参考】【国際】グローバルIT大手4社、2030年までに自然由来除去クレジットを2000万t共同購入。需要シグナル(2024年5月24日)

 アルファベット傘下のグーグルも9月19日、ブラジルでカーボンクレジットを創出するモンバックから2030年までに5万tのカーボンクレジットを購入するオフテイク契約を締結した。マイクロソフトも同じく2023年12月、モンバックから最大150万tのカーボンクレジットのオフテイク契約を締結している。

 モンバックは2021年に創業。アマゾン熱帯雨林で大規模な再植林を実施。在来種樹木と自然再生支援によって、劣化した牧草地を熱帯雨林に戻すことで、二酸化炭素を吸収し、カーボンクレジットを創出することを目標としている。今回のオフテイク契約の金額は非公表だが、2023年の実績では、モンバックは1t当たり平均50米ドルでクレジットを販売していたことがある模様。

 グーグルは3月、米エネルギー省の「カーボン・ネガティブ・ショット」政策に呼応し、今後12ヶ月間で、除去・吸収型のカーボンクレジットを3,500万米ドル(約50億円)分購入するコミットメントを宣言。9月10日には、直接空気回収(DAC)でのカーボンクレジット購入予約も発表していた。

 アルファベットのスンダー・ピチャイCEOは9月14日、同社の気候変動戦略をあらためて発表。「カーボン・レガシー」を全廃すると宣言。また、2030年までにカーボンフリーのエネルギーで24時間365日稼働する目標をあらためて強調した。さらに2030年までに同社関連の主要製造施設周辺に再生可能エネルギー設備容量を5GW新設することも掲げた。

【参考】【アメリカ】グーグル、DACクレジットを100ドル/tで購入予約。ホロセンの技術開発促進(2024年9月13日)

【参照ページ】BTG Pactual Timberland Investment Group and Meta announce long-term contract for delivery of 1.3 million nature-based carbon removal credits, with options for delivery of additional 2.6 million credits 【参照ページ】Our third decade of climate action: Realizing a carbon-free future

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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