Skip navigation
サステナビリティ・
ESG金融のニュース
時価総額上位100社の97%が
Sustainable Japanに登録している。その理由は?

【国際】SBTN、実証プログラム企業で自然SBT目標承認第1陣が誕生。第2弾実証も開始へ

 科学的根拠に基づく環境目標策定イニシアチブScience Based Targets Network(SBTN)は9月23日、陸域と淡水域の科学的根拠に基づく削減目標メソドロジー「SBTs for Nature(自然SBTs)」に基づき、17社が参画していた実証プログラムの成果を公表した。

【参考】【国際】SBTN、SBTs for Natureのメソドロジー発表。まず17社が実証。2024年から全面展開(2023年5月24日)

 実証プログラムに参画していたのは、カルフール、テスコ、グラクソ・スミスクライン(GSK)、H&M、ケリング、LVMH、ロクシタン、ネステ、ネスレ、ABインベブ、ヒンディスタン・ジンク、ホルシム、ベル、UPM、コービオン、ダノンの一部のアルプロ、サントリーホールディングスの17社。

 SBTs for Natureでは、3つのステップで目標設定プロセスを定めており、ステップ1は、バリューチェーンでプレッシャーカテゴリー発生箇所の特定や分析事業の設定。ステップ2が、対象のプレッシャーカテゴリー毎に分析対象の事業内容や地域を特定やアクションの優先順位の高いセグメントの特定。ステップ3で各自然領域の基準を踏まえた科学的根拠に基づく目標の設定となっている。

 実証プログラムでは、実証プログラムに参加した17社のうち、15社が、選択した組織境界のステップ1と2を完了。12社がステップ3の目標まで完了した。淡水域のステップ3を完了した12社のうち、10社は1つ以上の目標について承認を獲得。陸域のステップ3を完了した9社のうち、7社は全ての目標で承認を受けた。実証参画企業は、6ヶ月五の2025年1月10日までにSBTNから目標が採択される必要があり、SBTNによって順次公表される。

 目標承認の状況では、陸域では、生態系の転換なし、土地フットプリント削減、景観エンゲージメントの3つで目標設定が必要だが、目標承認率は、生態系の転換なしが88%、土地フットプリント削減が86%、景観エンゲージメントが52%。景観エンゲージメントが比較的難易度が高いことがうかがえる。淡水域では、量と質の2つの観点でチェックされるが、目標承認率は量が90%なのに対し、質は40%にとどまっている。

 SBTNにはすでに、コーポレート・エンゲージメント・プログラムとサービスプロバイダー・プログラムを通じ、150社以上が、科学的根拠に基づく自然界の目標設定の準備を進めている。SBTNは、今回の実証プログラムからの知見も踏まえ、7月に目標設定ガイドを発行。対策分野の優先順位付けにおける信頼性の強化、関連するフレームワークとの相互運用性の強化、追加のサポートとリソースの提供、ガイダンスの明確化等を行っている。

【参考】【国際】SBTN、自然関連の科学的根拠に基づく目標設定で企業向けマニュアル発行(2024年7月11日)

 さらに今回、「訴求ガイダンス」を新たに発行。目標設定に際しての柔軟性を高めている。具体的には、ステップ1と2の時点での公表を認めた。さらに複数の自然領域にまたがる事業を展開している企業でも、淡水域のみ等の部分的な目標設定を行うことも認めた。淡水域での目標設定では、バウンダリー全体に対する目標設定を完了することが推奨されているが、部分的なバウンダリーに限定することも可とした。陸域に関しては、2025年の生態系転換ゼロ目標の達成のハードルが高いことを認識し、偉業が段階的にアクションを進められるように代替手段の検討も進めることを決めた。

 SBTNは、目標承認第2弾として、アカウンタビリティ・アクセラレーターによる目標審査プロセスに入る。すでに目標審査の対象となった企業は公募結果に基づき選定されている。対象となった企業は、2024年第4四半期までにオンライン・フォーマットで情報提出が始まり、その後目標承認の審査を受けることになる。

【参考】【国際】SBTN、アカウンタビリティ・アクセラレーターを審査機関に指定。企業の関心表明募集開始(2024年6月3日)

【参照ページ】SBTN publishes pilot outcomes, proving the concept of science-based targets for nature

author image

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

この記事のタグ

Sustainable Japanの特長

Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。

  • 時価総額上位100社の96%が登録済
  • 業界第一人者が編集長
  • 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
  • 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする

※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら

"【ランキング】2019年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」"を、お気に入りから削除しました。