科学的根拠に基づく環境目標策定イニシアチブScience Based Targets Network(SBTN)は5月24日、自然資本で初となる、陸域と淡水域の科学的根拠に基づく削減目標メソドロジー「SBTs for Nature(自然SBTs)」を発表した。ネイチャーポジティブに関する目標承認プロセスがいよいよ動き出した。
【参考】【環境】SBTN、自然資本の科学的根拠に基づく目標設定ルールを策定 〜TNFDと両輪の存在〜(2023年4月16日)
SBTNは、陸域、淡水域、海洋、生物多様性、気候変動の5分野を包括した目標承認制度を目指している。今回リリースされた新目標は、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)での気候変動目標承認を土台にして、陸域と淡水域を含めた目標承認制度となっている。今後、海洋と生物多様性についても発表していく予定。
目標承認に関しては、まずは試験運用として、カルフール、テスコ、グラクソ・スミスクライン(GSK)、H&M、ケリング、LVMH、ロクシタン、ネステ、ネスレ、ABインベブ、ヒンディスタン・ジンク、ホルシム、ベル、UPM、コービオン、ダノンの一部のアルプロ、サントリーホールディングスの17社が選ばれており、2023年中に目標設定を行う予定。その他企業の承認作業の開始は2024年初頭を予定している。
今回のメソドロジーは、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)等の既存のフレームワークとの整合性が意識されている。また、スウェーデンに2019年に発足した国際的な環境科学組織「地球委員会(Earth Comission)」が5月31日に発表する予定の「安全で公正な回廊(Safe and Just Corridor)」でまとめられた科学的知見も反映されている。策定過程では、25ヶ国以上115社以上がフィージビリティテストに関わった。参画企業の時価総額合計は4兆米ドルを超える。
【参照ページ】Launch of the world’s first science-based targets for nature, to mobilize businesses to address nature loss & climate change together
【参照ページ】The first corporate science-based targets for nature are here
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