
ホテル世界大手米マリオット・インターナショナルのロンドン・マリオット・ホテル・カナリー・ワーフは10月4日、過去6ヶ月で食品廃棄物を67%削減できたことを明らかにした。AI活用食品廃棄物マネジメントWinnowと連携し、短期間で大きな成果を実現した。
マリオット・インターナショナルは2021年、温室効果ガス排出量削減で、1.5℃短期基準とネットゼロ・スタンダードの双方で、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)にコミットメントを提出。実際に2024年4月にSBTiから目標承認を取得し、短期と長期の双方でSBTi承認を受けた世界最大のホテルチェーンとなった。今回の食品廃棄物削減もその一環。
Winnowのソリューションでは、調理現場での食品廃物物の発生データをリアルタイムで収集し、パターンを特定。アナリティクス・プラットフォームと毎日のEメール・レポートを通じて、厨房での改善を促す仕組み。ロンドン・マリオット・ホテル・カナリー・ワーフでは、食品ロスそのものの削減と、余った食材を活用した料理の双方で大きな改善がみられた。
まず、ビュフェ形式での調理で一日の中で最も繁忙になる朝の時間帯では、午前10時以降は小さな容器を使用するオペレーションに変更。これにより食品ロスを大幅に抑制できた。
余った食材での料理開発では、朝食で余った野菜の切り落としとポーチドエッグで作る「シャクシュカ」、通常廃棄されるキュウリの皮から作る「サジキ」、朝食で余ったペストリーを使い、保存のきかない牛乳と卵でカスタードを作る「ブレッド&バタープディング」等を調理チームが開発した。
これらにより、同ホテルは、当初の計画より2ヶ月前倒しで目標を達成。わずか6ヶ月で、食品廃棄物を67%削減、年間8tの食品廃棄物の削減、年間33tの温室効果ガス削減、年間20,000食の節約、年間14,000ポンドの食費節約へとつながった。
さらに今回のアクションは、ホテル全体のサステナビリティに関するマインド醸成に波及したという。食器では、小麦草由来の原料で製造し、コーヒー粒廃棄物からボディスクラブを開発する等の変化を生んだ。水用のボトルでは、サトウキビ由来の代替品を用いるようになった。
マリオット・インターナショナルでは、過去6ヶ月で53のホテルで食品廃棄物削減の実証を実施。全体食品廃棄物を25%削減できたという。累計3,000人以上のスタッフが参加した。ホテル業界のサステナビリティ国際団体サステナブル・ホスピタリティ・アライアンスは2024年5月に新たな5カ年「ネット・ポジティブ」戦略を発表しており、マリオット・インターナショナルも参画している。
【参考】【国際】国際ホテル業界団体、ネット・ポジティブ戦略発表。認証創設や共同実証プログラム(2023年5月22日)
【参照ページ】London Marriott Hotel Canary Wharf achieves a 67% Reduction in Food Waste with Winnow in 6 Months
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