
プラスチック汚染の根絶に向け政策提言活動を行うイニシアチブ「国際プラスチック条約企業連合」は10月21日、プラスチックのライフサイクル全体に対応する国際的な法的拘束力のある文書の重要性と必要性を訴える「釜山への架け橋宣言」を支持すると発表した。同イニシアチブ加盟の企業、金融機関、NGO等250団体以上が署名した。
国際プラスチック条約企業連合は、エレン・マッカーサー財団と世界自然保護基金(WWF)の呼びかけで2022年9月に発足。2022年3月の第5回国連環境総会再開セッションにおいて「プラスチック汚染を終わらせる:法的拘束力のある国際約束に向けて」が175カ国の合意で採択されたことが背景にある。現在、250社・団体以上が加盟している。
【参考】【日本】国際プラスチック条約企業連合、日本版発足。ユニ・チャーム、キリンHD等10社参画(2023年11月3日)
釜山への架け橋宣言は、2024年4月にカナダのオタワで開催された「プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)」の策定に向けた第4回政府間交渉委員会(INC4)で発表された宣言。各国政府に対し、一次プラスチックポリマーの持続可能な生産水準の達成、一次プラスチックポリマー生産の透明性確保、一次プラスチックポリマーの持続可能な生産に関する世界的な目標への合意の3つの確約を要請している。
国際プラスチック条約企業連合は、漏出率が高く、寿命が短く、化石由来のバージン資源から作られたプラスチックに焦点を当て、サーキュラーエコノミー化を通じた生産量と使用量の削減が必要と認識。科学に基づく適切な目標と対策についての継続的議論をしつつも、プラスチック条約の対象に生産を含めることは不可欠とした。
そこで同イニシアチブ策定の「世界プラスチック条約へのロードマップ(Treaty On A Page)」では、各国政府に対し、一次プラスチックポリマーの持続可能な生産レベルを達成するための潜在的な要素と行動についての議論の継続を呼びかけた。
- 条約締約国は、自国内で生産されたプラスチックポリマーの種類と数量、使用原材料の原産地に関する情報を報告しなければならない。
- 各国政府は、持続可能なプラスチック消費と生産、安全なサーキュラーエコノミー型アプローチ、環境に配慮した廃プラスチック管理促進のための国内政策の継続的な改善にコミットすべき。
- 条約は、締約国会議(COP)が定量的・定性的な世界規模の目標の採択を可能にし、各国の取り組みを長期的に強化し、世界規模での削減、循環、防止、修復を支援すべき。
- 国内実施計画(NIP)の一環で、条約は経済的インセンティブと規制メカニズムの採用を推進し、サーキュラーエコノミーへの移行を可能にすることで、プラスチック生産量と使用量の削減につなげることができる。
【参照ページ】The Business Coalition signs the ‘Bridge to Busan’ declaration
【参照ページ】Bridge to Busan
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