世界経済フォーラム(WEF)は11月7日、中東・北アフリカ(MENA)を対象に、石油・ガス、小売、金融、電力等の重要産業が持続可能な経済成長モデルへの移行を実現するための提言報告書を発表した。ベイン&カンパニーが協力した。
同報告書は、2026年までに世界の70%の地域でサステナビリティに関する情報開示が義務付けられる見通を受け、MENA域が世界に対する競争力を維持するためには、サステナビリティに関する実績と透明性を確立することが急務と指摘した。
一方、MENA地域では、国レベルでは70%がカーボンニュートラル目標を掲げているものの、企業レベルでは野心的な気候変動目標を掲げるための政策枠組みが欠けていることや、サステナビリティ全般についても目標設定に課題があることを採り上げた。
そこで、同報告書では、サステナビリティに向けた様々な段階にある企業を支援するため、環境影響測定と開示方法に関する個別の提言等、セクター別のロードマップを概説している。温室効果ガス排出量、水管理、生物多様性等、それぞれのセクターに最も関連性の高い問題を優先的に評価することで、MENA地域の企業はリスクマネジメント、透明性、投資家の信頼を向上させることができるとした。
さらに政策の重要性にも言及。アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、エジプト、ヨルダン、オマーン、モロッコ、バーレーン、クウェート、カタールの9カ国の状況や政策を分析。4タイプに分類し、各タイプの特徴に応じたアプローチと財政的なインセンティブ、官民の連携が重要とした。
事例としては、マジド・アル・フッタイム、エミレーツ・グローバル・アルミニウム、ガルフ国際銀行、ACWAパワー、OCPグループ、サウジアラムコ、サウジアラビア、エジプト、UAE、モロッコを紹介した。
【参照ページ】New Research Charts Path for MENA to Meet Mounting Global Sustainability Demands
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