
資源開発世界大手英豪リオ・ティント、三菱商事、フィンランドの電力大手フォータム、フィンランド国営ファンドのフィンランド産業投資(TESI)、スウェーデンのベンチャーキャピタルVargasホールディングの5社は12月4日、フィンランドでの低炭素アルミニウム製錬プロジェクトのフィージビリティ調査と環境影響評価(環境アセスメント)を行うと発表した。
同プロジェクトでは、リオ・ティントが開発したアルミニウム精錬技術「AP60」を活用。AP60は現在、カナダ・ケベック州の施設で運用されているが、今回、フィンランドのコッコラで新たな低炭素アルミニウムでのプラント建設を目指す。北米以外では初の導入例となる。同プロジェクトが成功すれば、欧州大陸で30年以上ぶりの一次アルミニウム製造拠点の誕生となる。また、再生可能エネルギーを提供するフォータムとの電力調達契約の協議等も行う。
リオ・ティントは、英国でも材料研究を加速。12月2日には、英インペリアル・カレッジ・ロンドンとともに、「Rio Tinto Centre for Future Materials」を設立すると発表した。同社は今後10年間、同センターに1.5億米ドル(約225億円)の投資を行う。
同センターでは、インペリアル・カレッジ・ロンドンを中心に、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学、米カリフォルニア大学バークレー校、南アフリカのウィット・ウォーターズ・ランド大学、豪オーストラリア国立大学の4大学とも連携し、グローバルな研究基盤を強化。エネルギー移行に向け、環境・経済・社会的にサステナブルな資源採掘、加工、使用、リサイクル手法の開発を目指す。
同センターではまず、発電、蓄電、送電に不可欠な銅に注目。今後10年間でこれまでの1世紀分以上の需要が見込まれる銅の需要削減や、最もサステナブルな採掘方法を模索する。英政府が最近発表した「産業戦略グリーンペーパー」の中では、クリーンエネルギー産業が経済成長を牽引する主要セクターとして位置付けられており、同社の戦略は、英政府の政策とも足並みを揃えている。
【参照ページ】Rio Tinto signs new partnership agreement to study low carbon aluminium project in Finland
【参照ページ】フィンランドにおける低炭素アルミニウム製錬プロジェクトの事業化調査への参画
【参照ページ】Rio Tinto and Imperial launch $150 million partnership to support the global energy transition
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