
国連生物多様性条約第16回カリ締約国会議(CBD COP16)は2月27日、イタリアのローマで会合を再開。昆明・モントリオール生物多様性枠組の行動目標達成に必要な資金を調達する戦略で合意した。
CBD COP16は、2024年11月2日に定足数を失い、時間切れで中断。後日、会場を変えて再開されることとなっていた。今回ようやく予定していた合意に達し、閉幕した。国連生物多様性条約には当初から米国は加盟しておらず、トランプ政権誕生の影響を受けなかった。
【参考】【国際】CBD COP16、時間切れで後日再開へ。カリ基金創設、遺伝子組換え生物リスク評価等で大きな進展(2024年11月3日)
今回の締約国会議では、先進国から発展途上国に、2025年までに年間200億米ドル、2030年までに年間300億米ドルの資金フローを実現。さらに、官民合わせて2030年までに年間2,000億米ドル以上、2030年までに3,000億米ドル以上の資金動員を実現する目標でも合意した。中断前の会合では、2030年までに毎年2,000億米ドルの資金動員で協議が難航していたが、大きく前進した。
資金動員の手法については、同条約の第21条と第39条に基づく金融メカニズムの恒久的な取り決めを確立すると同時に、既存の金融手段の活用も進めることで合意した。「生物多様性ファイナンス戦略」も採択し、国や地方自治体による公的資金、民間や慈善団体による資金、国際開発金融機関、ブレンデッド・ファイナンス、その他の革新的なアプローチを含めていくことも決まった。同戦略では、金融機関に対し、環境・社会セーフガードの強化、生物多様性へのファイナンス拡大、透明性と情報開示の強化の3つを重要テーマとして位置づけている。
さらに、生物多様性に害を及ぼす補助金年間5,000億米ドル以上を2030年までに削減する目標についても、中断前には合意に難航していたが、最終的に合意に達した。
また昆明・モントリオール生物多様性枠組の達成状況モニタリングについても、指標の測定方法と使用方法で合意に達した。これにより、すべての締約国が、各国の政策立案者が解釈できる方法で進捗状況を把握できるようになった。さらに、政府以外のアクターからのコミットメントを、「計画・モニタリング・報告・レビュー(PMRR)」メカニズムに含める方法も決定。これにより、企業、地方自治体、若者、女性、先住民、地域コミュニティ、NGO等からのコミットメントを政府として巻き込んでいくスキームが確立した。
2月26日には、中断前の会合で発足が決定した生物多様性カリ基金も正式に発足した。今後、企業からの資金拠出の詳細を検討するとみられる。
【参考】【国際】生物多様性カリ基金、世界1900社に約3300億円の利益減リスク。日系企業も(2024年11月30日)
【参照ページ】Governments agree on the way forward to mobilise the resources needed to protect biodiversity for people and planet
【参照ページ】Governments Adopt First Global Strategy to Finance Biodiversity: Implications for Financial Institutions
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