
米アルファベット傘下のグーグルのインキュベーション組織「グーグルX」は4月30日、リサイクルが困難なフィルムと軟包装プラスチックのリサイクル率向上で、化学世界大手米ダウと提携したことを発表した。
フィルムと軟包装プラスチックには、一般的に、腐敗しやすい製品を保護し、新鮮さを保つため、複数種類のプラスチックを使用。異なる種類のプラスチックを複層フィルムにしたり、金属や紙等の他の材料を組み合わせコンポジット(複合材)にすることで、空気や湿気から保護する高機能なバリアを形成している。
そのため、包装用プラスチックは、一般家庭からごみとして回収されリサイクルされる割合を示す「カーブサイド・リサイクル率」が低い。異なる分子成分を適切に識別し分別することが困難なことが原因で、米国では年間約700万tが廃棄されているが、リサイクルされているのは約5%未満にとどまる。
今回の提携では、グーグルXが持つ化学、機械学習、AI、センサー技術を組み合わせた分子ビジョンシステムを活用し、素材の分子レベルでの正確な識別と選別精度の向上を目指す。センサー技術を用いて毎分数千個の包装用プラスチックをスキャンし、瞬時に分子構成を識別。ミリ秒単位でデータ処理を実施し、包装用プラスチックを網羅的に分類する。
ダウは、同システムの精度のテストのために必要な実際のデータと専門知識を提供。オレゴン州のリサイクル工場ですでに実証運用が実施されており、初期検証の結果では今後が期待できる内容となった。
廃棄物の特性評価がより容易かつ効率的になることで、リサイクル効率の向上や高度なリサイクル原料の確保が期待される。今後、数ヶ月にわたり同システムの精度向上と応用の可能性に関して検証を進める。両社は、今回の取り組みを加速させるため、廃棄物収集業者、プラスチック加工業者、包装メーカー、規制当局等のステークホルダーに対してプロジェクトへの協力を呼びかけている。
ダウは、2030年までに廃棄物から年間300万tのサーキュラーエコノミー型、再生可能なソリューションの提供と、2035年までにすべての包装向け製品が再利用またはリサイクル可能となることを目指している。2024年6月には、プラスチック廃棄物をPCR(post-consumer recycled)樹脂にリサイクルする米サーキュラスの買収契約締結を発表していた。
【参照ページ】Trash to Treasure
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