
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は5月27日、「機関投資家のスチュワードシップ活動に関する上場企業向けアンケート」の第10回集計結果を公表した。同アンケートは今年で10回目。
同調査は、運用受託機関のスチュワードシップ活動に関する評価と、「目的を持った建設的な対話(エンゲージメント)」の実態及び変化の把握を目的としている。今回の調査では、TOPIX構成企業1,696社のうち632社が回答した。時価総額が大きいほど回答率が高かった。
対話の質では、「大半の機関投資家との対話が有益」が全体の49%。「有益な対話ができている機関投資家の方が多い」を含めると87.4%となり、内容に満足している企業が多いことがわかった。また、時価総額が大きいほど満足度も高かった。前年度からの変化では、「とりたてて大きな変化は感じられない」が46.0%と多かったものの、「好ましい変化を感じる」が16.3%と増加傾向にある。
さらに「機関投資家との対話によって貴社の行動変化に繋がった事例がある」との回答が86.6%となり、特に情報開示において改善のきっかけとなっていることを伺わせた。
機関投資家による統合報告書の活用では、「活用されていると感じる」が第3回の2018年には17.5%だったが、7年後の今回は72.0%へと増加。コーポレート・ガバナンス報告書の活用でも「活用されていると感じる」が第3回では14.4%だったが、今回は35.5%にまで上昇した。
SSBJ開示の準備状況では、任意適用期間中の開示を予定しているが9.4%、検討しているが18.0%。特に時価総額3兆円以上では、各々13.0%、24.1%と比較的高かった。
自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)開示では、「開示している」が前年から10.3ポイント増加し15.8%。そのうちガバナンスでの開示が74.0%と高く、まずはガバナンスでの開示から進めている企業が多いことを伺わせた。
ESGでの主要テーマでは、引き続き「気候変動」が最多で、1.3ポイント増。一方「ダイバーシティ」は大きく減少した。
(出所)GPIF
GPIFに期待するスチュワードシップ活動では、「中長期的な企業価値向上に向けたアセットマネージャーと投資先企業との対話の促進」が引き続き最多で77.2%だった。
【参照ページ】「第10回 機関投資家のスチュワードシップ活動に関する上場企業向けアンケート集計結果」の公表について
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