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【日本】農水省、農林水産研究イノベーション戦略2025発表。新品種開発や林業・水産業でも

【日本】農水省、農林水産研究イノベーション戦略2025発表。新品種開発や林業・水産業でも 1

 農林水産省は6月6日、「農林水産研究イノベーション戦略2025」を発表した。同戦略は毎年策定されているが、2024年に25年ぶりに改正された食料・農業・農村基本法に基づく食料・農業・農村基本計画が閣議決定されて以降、最初の戦略発表となった。

【参考】【日本】政府、基本法改正後初の食料・農業・農村基本計画を閣議決定。食料困窮者対策も新設(2025年4月12日)

 今回の戦略では、革新的な新品種の開発を独立した項目として設置。多収性、スマート農業技術適性、気候変動に対応した高温耐性・病害虫抵抗性、高付加価値化等の効果を期待した。また、育種期間を半減するため、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)等が蓄積してきたゲノム情報等の育種ビッグデータを活用して「スマート育種支援システム」を構築し、AI等を用いて最適な交配親の組合せや子の将来形質を予測するとともに、圃場での形質の自動計測技術の利用により品種開発を効率化・迅速化するとした。

 また、新品種開発を加速させる手段の一つとして、国産のゲノム編集酵素を開発するとともに、これらを適用できる品目等を拡大する技術や、効率的に複数遺伝子を同時改変するゲノム編集技術、栄養繁殖性植物におけるゲノム編集技術等を開発することも掲げた。

 農林水産業のカーボンニュートラル化では、新たに、二酸化炭素吸収能を増強したDAC作物(水稲、トウモロコシ)の開発を推進が盛り込まれた。

 また、今回の戦略では、研究開発体制の増強が大きく位置づけられた。研究開発分野としては、

  • 精密加工技術(発酵・冷凍・殺菌等)
  • 少花粉かつ成長・材質に優れ炭素貯蔵能力の高い造林樹種(エリートツリー等)のゲノム解析技術を用いた育種
  • 直交集成板(CLT)の更なる利活用技術
  • 改質リグニンやセルロースナノファイバー等の木質系新素材の製造技術
  • 山地災害や大規模な林野火災等に対応する予測技術、被害軽減技術、被災後の荒廃森林の早期復旧技術
  • 養殖用人工種苗の生産技術
  • ゲノム選抜育種等による効率的な育種改良
  • 魚粉代替原料
  • 漁船の脱炭素化に資する技術
  • ブルーカーボンの効率的な藻場造成技術
  • 気候変動によって多発する有害プランクトンによる赤潮対策技術

が新たに盛り込まれた。

 研究開発の体制強化では、農研機構、森林研究・整備機構、水産研究・教育機構の機能を強化。さらに、整備した農研機構の施設等を都道府県の農業試験場や大学、スタートアップ等民間企業の利用に供し、また、農研機構の専門家の派遣等の支援を行うオープンイノベーション環境の整備も明確に打ち出した。

 国際連携では、国際農林水産業研究センター(国際農研)の持つ国際的な研究ネットワークや知見等を活用しつつ、国際農研が国際的な研究拠点としての役割を果たせるよう、研究基盤の整備と機能を強化していくことも盛り込んだ。

【参照ページ】農林水産研究イノベーション戦略2025を公表

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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