
国連食糧農業機関(FAO)は6月11日、漁業資源の現状を分析した報告書「世界海洋漁業資源の現状レビュー」の2025版を発行した。同報告書の発行は14年ぶり。
FAOは、隔年で「世界漁業養殖業白書(SOFIA)」を発行しているが、今回の報告書は海洋漁業資源の状況を包括的に分析したもの。200を超える機関と90カ国以上から650人を超える専門家が作成に参加した。資源量については2023年時点、水揚量については2021年のデータが用いられた。
同報告書によると、水産資源のうち、持続可能な水準な種が64.5%、乱獲状態にある種が35.5%。水揚量で加重平均すると、世界の漁獲量の77.2%が生物学的に持続可能な資源から得られていることがわかった。
(出所)FAO
地域別では、日本近海を含む北西太平洋では63.0%の種が持続可能な水準にある。状況が最も悪いのが地中海で35.1%しか持続可能でない。一方、北東太平洋は92.7%が持続可能な水準にある。
(出所)FAO
水揚量の動向では、日米欧の先進国周辺では、横ばいもしくは減少傾向にあるが、東南アジア、南アジア、中東、アフリカでは水揚量が増加してきている。
(出所)FAO
同報告書では、各海域の資源量動向についても詳しく紹介している。北東太平洋エリアと南西太平洋エリアでは、長期的な投資と堅固な管理枠組が奏功し、持続可能な水準の割合が各々92.7%と85%に達しており、これらの資源は2021年の同地域における水揚量の99%と95.7%を占めていると推定される。このように、資源量を適切に管理すれば、持続可能な漁業が実現できることが伺える。
国際的な資源量管理が進んできたまぐろ及びまぐろ類についても、評価対象の資源の87%が持続可能であり、水揚量の99%が持続可能な資源から調達されていた。反対に、深海種は依然として脆弱な状態にあり、持続可能な漁獲が行われている資源は29%にとどまっている。
またFAOは今回、依然として特に小規模漁業に関するデータが不足しており、水揚量地点のカバー率が低いことが評価の不確実性を高めるとして警鐘を鳴らした。そのため、各国政府に対し、データ収集・管理システムへの投資、科学的アプローチの採用、能力ギャップの解消、サステナビリティ目標の整合化促進し等を促した。
【参照ページ】FAO releases the most detailed global assessment of marine fish stocks to date
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