
機関投資家44団体は6月26日、化学企業に対し、生物多様性と人間の健康を保護するため、危険性の高い有害化学物質の段階的廃止と安全な代替品への移行を求める共同声明を発表した。政府に対しても規制強化を求めた。署名した機関投資家の運用資産の総額は4兆米ドル(約570兆円)。
今回の共同声明に署名したのは、仏預金供託公庫、AP2、AP3、SVVK-ASIR、PFA、NN、Folksam、Achmea Investment Management、BNPパリバ・アセット・マネジメント、Impax Asset Management等。英ESG投資推進ShareAction、英環境シンクタンクのプラネット・トラッカー、国際責任ある化学NGOのChemSec、機関投資家イニシアチブの環境健康投資家ネットワーク(IEHN)等が署名を呼びかけていた。
今回の共同声明では、昆明・モントリオール生物多様性枠組や、化学物質に関するグローバル枠組(GFC)を強調しつつ、農薬メーカーを含む化学セクターが公害の影響に伴う財務リスクを十分に軽減しておらず、安全で持続可能な代替品による市場機会を見過ごしていると警告。さらに、個々の化学企業が数百億米ドルの課徴金や賠償責任を負ったことや、地方自治体による化学物質汚染と原状復帰に関する社会的コストも増大していることから、より安全な化学物質への転換の必要性が高まっているとした。
【参考】【国際】ICCM5、SAICMに替わる「化学物質に関するグローバル枠組み(GFC)」採択。歴史的合意(2023年10月7日)
それを受け、共同声明では、昆明・モントリオール生物多様性枠組に基づき、2030年までにあらゆる発生源からの汚染リスクと汚染の悪影響を生物多様性に有害でないレベルまで削減することを要請。また、化学物質に関するグローバル枠組に基づき、2035年までに有害性の高い農薬を段階的に廃止すること、2030年までにバリューチェーン全体を通じて材料や製品に含まれる化学物質に関する信頼できる情報を利用できるようにすること、化学物質の生産に関するデータを作成し、そのようなデータを利用できるようにすることを含め、化学物質と化学廃棄物の悪影響を防止し、最小化することを要請した。
さらに具体的に、昆明・モントリオール生物多様性枠組と化学物質に関するグローバル枠組へのコミット、堅固な生物多様性戦略の策定、生物多様性開示の強化の3つの観点から、詳細な要請内容を提示した。
政府に対する要請文書では、世界各国の政府に対し、化学物質に関するグローバルな政策枠組みを強化し調和させるための推奨事項を提示した。こちらには機関投資家41団体が署名した。運用資産の総額は3.9兆米ドル。
【参照ページ】Investors press for global action on toxic chemicals as pollution crisis escalates
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