
2050年までの投融資ポートフォリオのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量ゼロ)にコミットする銀行のイニシアチブ「Net-Zero Banking Alliance(NZBA)」は7月29日、銀行に対し、融資先企業のカーボンニュートラル化を支援する「トランジションファイナンス」の最新ベストプラクティスをまとめた報告書を発行した。
同報告書では、トランジションファイナンスの好事例として、バークレイズ、スタンダードチャータード、DBS、UOB(大華銀行)、メイバンク、ウエストパック銀行、ファースト・アブダビ、アライド・アイリッシュ銀行の8行の事例を取り上げた。
トランジションファイナンスのガイドラインで参照されていることが多いものは、気候債券イニシアチブ(CBI)、国際資本市場協会(ICMA)、グラスゴー金融同盟、経済協力開発機構(OECD)、トランジションファイナンス市場レビュー(TFMR)、NZBAのガイドラインだった。また、各行が策定するグリーンファイナンスやサステナブルファイナンス・フレームワークの一部としてトランジションファイナンスが打ち出されていた。
またトランジションファイナンスの内容では、適格性が認められる資金使途へのファイナンスと、適切なトランジションプラン(移行計画)を策定している企業へのコーポレート単位の投融資(ローン、債券、株式)の双方が位置づけられる傾向にある。
トランジションファイナンス・フレームワークに含まれているセクターでは、鉄鋼、セメント、化学、石炭、石油・ガス、水素、海運が一般的だが、アルミニウム、バイオエネルギー、農業、航空、発電も多くの銀行が採用していた。さらに、不動産、陸運、資源採掘へと裾野が広がってきている。
NZBAは今後、トランジションファイナンスの標準化、法人単位ファイナンスに関するガイダンスの改善、各セクターのカーボンニュートラル化パスウェイの策定、データ・指標の向上の4つの観点で作業を続けていく考え。
日本の銀行については、三井住友トラストグループを除き、すでに脱退しているため、NZBAの好事例として取り扱われる対象外となっている。
【参照ページ】Transition Finance Emerging Practices
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