
EUの金融報告フレームワーク検討機関European Financial Reporting Advisory Group(EFRAG)のサステナビリティ報告評議会(SRB)は7月31日、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)に基づく欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)の簡素化作業による改訂原案を発表した。9月29日までパブリックコメントを募集する。
今回の原案では、6月に示された方向性がESRS基準の中に具体的に落とし込まれている。また、マテリアリティがある場合に必須となるデータポイントを57%削減、必須と任意の双方の全体では68%削減された。また、基準自体の長さも55%以上削減された。
【参考】【EU】EFRAG、ESRS改訂で個別事案の方向性提示。ダブルマテリアリティ評価方法修正も(2025年6月20日)
改訂内容では、まず、ダブルマテリアリティ評価のプロセスを見直し、監査目的のDMAプロセスと文書化を簡素化。インパクト・リスク・機会(IRO)においてマテリアリティが確認されるトピックのみをマテリアルなものと認識するよう修正された。ダブルマテリアリティの評価に関する記述も大幅に削除された。これにより、マテリアリティを設定する際に、各トピックに関する詳細レベルのIRO分析が不要となる。
また、報告に過度なコストや労力が必要な情報は報告しなくてもよいとする負担軽減措置も導入された。国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の基準との相互運用性を高めるための文言修正も行われた。任意の開示基準も大幅に削除されるとともに、文言を短縮し、概念も簡素化された。
[2025.8.8追記]
今回のEFRAGの原案に対し、欧州中央銀行(ECB)や欧州証券市場監督局(ESMA)からは、ISSB基準と整合しなくなっている要素が出ていることに懸念を抱いている。特に温室効果ガス排出量に関し、前述の負担軽減措置により、一部のスコープやカテゴリーについて報告義務が免除される可能性が出てきたことを懸念。また、サステナビリティ関連のリスクと機会が現在または将来に与える財務的影響を記載するというISSB基準の重要要素に関しても、EFRAGは反対意見があったことを理由に緩和を示唆する内容となったことについてもISSB基準との齟齬が認識されている。そのため今後、EFRAG改訂案の最終化に向けては、ISSB基準との整合性についても大きな論点になりそうだ。
【参照ページ】Press release - EFRAG Shares Revised ESRS Exposure Drafts and Launches 60-Day Public Consultation
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