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【国際】NZBA、気候目標設定ガイドライン改訂。証券業務も対象。移行計画の開示も必須

 2050年までの投融資ポートフォリオのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットする銀行のイニシアチブ「Net-Zero Banking Alliance(NZBA)」は3月13日、署名機関の投票の結果、「銀行向け気候目標設定ガイドライン」の改訂を決定した。今回第2版を発行した。

 NZBAの加盟機関は、投融資双方のポートフォリオでのカーボンフットプリントを2050年までに実現することにコミット。さらに加盟から18ヶ月以内に、2030年までの目標と2050年目標及び、2030年から2050年までの5年毎の中間目標を設定しなければならない。

 今回改訂した「銀行向け気候目標設定ガイドライン」第2版では、顧客発行体での債券や株式の主幹事や引受に関する証券会社(投資銀行)業務での排出量も目標設定対象に含めることを決めた。顧客発行体は公共セクターと民間セクターの双方が対象となる。シンジケートローンも対象。証券業務の中でも、マーケットメイク等のために保有している株式や債券に関しては目標設定に含めなくともよい。

 署名機関は、株式と債券の主幹事及び引受に関する排出量も含めた新目標の検討を2025年11月1日まで開始しなければならない。さらに2025年11月1日以降にも新目標の設定をしていくことが必須となる。対象外とするセクターや分野を設ける場合は、合理的な理由を説明しなければならない。

 さらに新ガイドラインでは、設定した目標を達成するための、具体的なアクションやマイルストーンを含めた移行計画(トランジションプラン)を、削減目標設定から12ヶ月以内開示しなければならない。さらに開示後の議論や状況の進展を踏まえ、5年毎に移行計画(トランジションプラン)をアップデートすることも必須となる。移行計画に盛り込む内容には、顧客エンゲージメント、キャパシティビルディング、新ツールや商品の開発、ポートフォリオの整合性評価、ポートフォリオのリスクやエクスポージャーの評価、ダイベストメント方針の策定、政策エンゲージメント等を例示した。

 政策エンゲージメントでは、自社の気候変動コミットメントと政策エンゲージメントの内容の整合性の担保や、影響を受ける社会的インパクトを含め経済セクターのカーボンニュートラル化を支援する政策の策定にサポートしていくことが推奨される。

 今回のガイドライン改訂は、2023年初頭から作業を開始。採択条件はNZBA署名機関の50%以上が投票し、投票数の3分の2以上の賛成だった。今回当該2つの基準をクリアし、改訂が採択された。

【参照ページ】Net-Zero Banking Alliance Members Vote to Reinforce Guidelines for Climate Target Setting

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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