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【国際】BNEF、生物多様性の投資状況を分析した報告書を発表。143兆円不足

 英エネルギーデータ大手ブルームバーグNEF(BNEF)は10月22日、生物多様性保全のための投資状況に関して分析した報告書「Biodiversity Finance Factbook」を発表した。昆明・モントリオール生物多様性枠組の2030年までの目標を達成するための資金ギャップは9,420億米ドル(約143兆円)に拡大していると警鐘を鳴らした。

 同報告書は、国連生物多様性条約第16回カリ締約国会議(CBD COP16)の開幕に合わせて発行されたもの。​​世界のGDPの約55%は自然に中程度から高度に依存しているとされる。自然に関連するリスクは企業と投資家に数十億米ドルの損失をもたらしているが、ほとんどの企業はリスク管理のためのプローチが不足しているとした。

 現在の生物多様性関連の投資額は、年間約2,080億米ドル(約31兆円)と年々増加。しかし、2030年には現在の約5倍の年間1.15兆米ドル(約174兆円)が必要であり、資金ギャップは9,420億米ドル(約143兆円)と報告した。

 同報告書では、生物多様性に対する脅威は増加し続けていると報告。BNEFの生物多様性脅威指数は2021年以降、世界の3分の2以上の地域で上昇している。資金調達優先度の高い上位5カ国として、ブラジル、中国、インドネシア、コンゴ民主共和国、コロンビアを挙げた。

(出所)BNEF

 公的資金による投資は、政府開発援助(ODA)や自然保護債務スワップ等があり、自然保護債務スワップによる資金調達が活発。2023年には過去最高の債務額を返済した。

(出所)BNEF

 一方で、自然を軸としたソリューション(NbS)に関する民間の金融商品の発行額は大きく減少。NbSによるカーボンオフセットの発行量は、2021年のピークから2023年には53%減少した。

(出所)BNEF

 原因として、金融機関が自然関連リスクの管理手法に対する知識不足だと指摘。BNEFが金融機関1,784社を対象に調査した結果では、生物多様性に関して取締役会レベルの監督を実施している金融機関は7.7%、経営陣レベルの監督を実施しているのは7.5%と低い。

 2030年の目標達成に向け、官民が連携し、自然保護債務スワップ、グリーンボンド、カーボンクレジットの発行等を積極的に行う必要性があると強調した。

【参照ページ】Gap Between Current Biodiversity Finance and Future Funding Needs Widens to $942 Billion, According to BloombergNEF

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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