
ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸、三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)、三菱自動車工業、Ampleの4社は6月6日、バッテリー交換式電気自動車(EV)とバッテリー交換ステーションの物流事業者の業務における実用性に関する実証を、2025年9月から東京都で行うと発表した。
運輸部門の温室効果ガス排出量は、2022年時点で日本全体の約19%を占めており、商用車の電動化を推進する必要性がある。ヤマト運輸は2022年以降、複数の車両メーカーとバッテリー交換式EVの規格化・実用化に向けた検討および実証を実施してきた。
2024年8月から11月には、MFTBC、Ampleと協業し、京都府京都市にてAmpleのバッテリー交換ステーション及びMFTBCのバッテリー交換式のEV小型トラック「eCanter」を使用した集配業務における実用性の実証を実施。同実証では、目標としていた車両品質を確認できたほか、運用方法のノウハウの蓄積、車種や車両ブランドを問わずバッテリー交換ステーションが共用できる点を検証していた。
今回の協業では、三菱自動車が参画し、物流事業者の幅広いニーズに対応するための検証を実施。参画企業の役割は、MFTBCがeCanter、三菱自動車がバッテリー交換式の軽商用EV「ミニキャブEV」を提供。Ampleはバッテリー交換ステーションの設置・運用、ヤマト運輸は集配業務でバッテリー交換式EVを使用する。
今回の検証では、150台を超えるEV、14基のバッテリー交換ステーションを活用し、実証期間中に順次拡大。検証内容は、バッテリー交換式EVの大規模運用、バッテリー交換ステーションにおける異なるブランド・サイズの車両の運用、集配業務における実用性や車両性能、内燃車と充電式EVと比較した場合の経済合理性、交換式バッテリーEVの運用における各種基礎データの取得の5つ。
バッテリー交換式EVは、従来の充電方法と比べて車両の待機時間を大幅に短縮することが可能。本実証では、バッテリー交換の目標時間を5分間に設定し、バッテリー交換を全自動で行うことで、物流のダウンタイム短縮、ドライバーの負担軽減を目指す。Ampleのバッテリー交換ステーションは、コンパクトかつ短期間で組み立てが可能であり、東京都のような高密度な都市環境においても効率的なインフラ整備を実現できる。
温室効果ガス排出量の削減に向けて、バッテリー交換ステーションでの再生可能エネルギー由来電力の使用も検討予定。本実証は東京都及び東京都環境公社の2024年度「新エネルギー推進に係る技術開発支援事業」に採択されている。
4社は本実証を通じて、バッテリー交換式EVの実用化と商用EVのさらなる普及に向け、バッテリー交換技術の確立および運用基盤の構築を目指すとしている。また、車両メーカーや物流事業者等に対して、本実証への参加を呼びかけた。
【参照ページ】バッテリー交換式EVの実用化に向けて、150台超の車両を用いた実証を2025年9月から東京都で実施
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