
韓国の李在明大統領は8月13日、大統領直属の国政企画委員会を開催し「国政運営5か年計画」を発表した。国家ビジョン、3大国政原則、5大国政目標、23の実行戦略、123の国政課題、564のアクションプランを示した。
同計画では、国家ビジョンとして「国民が主人である国、共に幸せな大韓民国」を標榜。3大国政原則として、「傾聴と統合」「公正と信頼」「実用と成果」を、5大国政目標としては「国民が一つになる政治」「世界を導く革新経済」「皆が豊かに暮らせる均衡成長」「基本が堅固な社会」「国益中心の外交安保」を掲げた。123の国政課題は、政府の最終審査を経て、最終的に閣議決定される。
「国民が一つになる政治」では、憲法改正を最重要課題とし、「国民主権の憲法精神を具現する新しい憲政体系を作る」と説明。検察・警察・監査院等の権力機関の改革、軍の政治介入の防止、公営放送の支配構造の改善等を提示した。
「世界を導く革新経済」では、AIやバイオヘルス等の新産業育成と、エネルギー転換を通じた低成長からの脱却を目標とした。それに伴い、AIハイウェイ、次世代AI半導体、半導体・バッテリー産業のイノベーション、先進人材の確保、共同データの開放等を行い、AI分野で世界トップ3、政府のAI化で世界トップ、科学技術分野で世界トップ5入りを目指すとした。政府は研究開発(R&D)予算も大幅に増やす。韓国総合株価指数(KOSPI)の5000台突入や、経済成長率3%も実現しにいく。
気候変動・エネルギー分野では、政府は気候危機対応能力を強化。同時に送電網「エネルギー・ハイウェイ」の早期建設、サーキュラーエコノミー・エコシステムの構築、再生可能エネルギーを軸とした大規模なエネルギー転換、朝鮮半島における四大河川と生物多様性の回復等、経済・社会の全分野でカーボンニュートラルを実現する。
再生可能エネルギーは、2030年までに現在の2倍以上となる78GW以上に拡大。送電網も30%拡充する。重点分野としては、洋上風力発電と、農地・水上・工業団地等での太陽光発電を掲げた。創出した再生可能エネルギー電力は、産業競争力確保のため、工業団地に優先的に供給する。また農地での太陽光発電(ソーラーシェアリング)では、政府が確保した農地を活用して太陽光発電設備を設置し、創出した収益を地域住民に分配し、電力を福祉施設や暖房に活用する「太陽光年金」制度を構築する。
成長を支援するための金融イノベーション施策では、政府として100兆ウォン(約10兆円)の国家成長基金を創設。ベンチャーキャピタルや中小企業がイノベーションを牽引する金融エコシステムの育成も推進する。一方、金融市場の不正行為については、ワンストライクアウト制度の導入等により、厳罰化する。
「皆が豊かに暮らせる均衡成長」では、5大都市圏と3つの特別自治道を中心に、イノベーションと雇用創出の拠点を育成。同時に地方自治を拡充し、財源も国から地方へと移譲していく。地域住民による自治評議会を重視した草の根民主主義も強化する。公共住宅の建設も進め、中小企業と一般市民向けの負担軽減策も強化する。農林水産業では、農村・漁村地域への基本所得制度導入により、輸出拡大と食料安全保障の強化を掲げた。
「基本が堅固な社会」では、「生命安全基本法」の制定を含む公共の安全に関する国家の責任を強化。大規模な社会災害や自然災害に備える。労災をOECD平均にまで引き下げることや、AI等を活用した社会保障費の抑制、地域間・専門分野別の医療供給格差の是正、同一労働同一賃金の促進、労働法の強化、産休・育休の追加支給、ワークライフバランス、女性の安全と権利の向上、性と生殖に関する権利の保障の支援等も挙げた。
また、動画、音楽、ゲーム等のコアKコンテンツ産業、及び美容、食品、観光等の関連産業を育成し、文化・芸術の創造と享受の基盤を拡大することで、「K-文化300兆ウォンと3000万人の訪韓観光客」を実現するとした。
「国益中心の外交安保」では、米国との軍事同盟を基盤としつつ、北朝鮮の核兵器、ミサイル、サイバー攻撃等の脅威に対抗するためのエリート軍隊の創設と、人口減少や防衛環境の変化に対応するための防衛改革を推進するとした。韓国の防衛産業も強化し、防衛力トップ4入りを目指す。
国家予算では、5年間で210兆ウォンを追加投資する財政投資計画を策定。財源は、国債発行等の追加的な財政負担を伴わない税収の拡大と高度の支出効率化によって確保するとした。
【参照ページ】Presidential policy commission announces 123 national tasks
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