
大林組は8月17日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「浮体式洋上風力発電の導入促進に資する次世代技術の開発」事業に「TLP(テンション・レグ・プラットフォーム)型ハイブリッド浮体式洋上風車支持構造物の実用化検証」を提案し、採択されたと発表した。ユーラスエナジーホールディングスと共同で、将来的な風車搭載実海域実証に向けた検討を本格化する。
TLP型は、強制的に半潜水させた浮力体と海底を緊張係留ラインで結び付け、強制浮力によって生じる緊張力を利用して係留する浮体方式。浮体の揺れを抑えやすく、占用面積を小さくできる特長がある。これにより、発電効率が約8%向上できるという。また、鋼製部材とコンクリート部材を適材適所で組み合わせたハイブリッド構造を採用することで、鋼製部材とコンクリート部材とをそれぞれ別々に製作し、運搬後に現場の組立ヤードで接続することが可能。これにより、他の浮体形式(鋼製セミサブ型)と比較して浮体建造コストを25%削減できる見込み。占有幅も少ないため、漁業影響も抑制しやすい。
大林組は、2012年から独自にTLP型浮体式洋上風車浮体の研究開発を進め、水槽模型実験や数値解析、浮体のみの実海域実証試験を通じて、浮体構造の安全性および動揺特性について検証を重ねてきた。2024年8月には、TLP型浮体を青森県下北郡東通村岩屋の沖合3kmの海域に国内で初めて設置。2024年9月には、NEDOの同事業に採択されていた。2026年5月には、TLP型ハイブリッド浮体式洋上風車支持構造物を用いた浮体式洋上風力発電施設で、世界で初めて基本設計承認(AiP)を取得している。発行したのは日本海事協会(ClassNK)。
今回採択された後続のNEDO事業では、ユーラスエナジーホールディングスと連携し、1MW級風車搭載浮体の実海域実証に向け、設計、施工および電気設備の検討を深化させるとともに、TLP型浮体構造の合理化によるコスト低減を図る。2027年夏には、大水深海域でのサクションアンカー設置や係留索接続作業を対象に、無人化施工技術の実証試験も予定されている。
両社は、2028年度以降に1MW級風車の実海域実証を、2030年度から2035年度の間に15MW級風車の実海域実証を実施していくことを計画し、その後の商用化を目指している。
【参照ページ】浮体式洋上風力発電向けTLP型ハイブリッド浮体の実海域実証に向けた技術開発を加速
【参照ページ】大林組が世界初のTLP型ハイブリッド浮体式洋上風力発電施設の基本設計承認(AiP)を取得しました
【画像】大林組
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