
気候変動対応を企業に求める欧州機関投資家団体IIGCCは8月13日、機関投資家向けに、リアルアセットの気候変動物理的リスク評価に関する実務ガイド「物理的気候リスク鑑定手法(PCRAM)」の第2版(PCRAM 2.0)を発行した。
PCRAMは、アセットオーナー、運用会社、デベロッパーの意思決定において、不動産・インフラ・土地等のリアルアセットの価値鑑定において、洪水、熱波、暴風雨等の物理的気候リスク(PCR)を考慮する方法が示されている。
PCRAMは当初、2019年の国連気候アクションサミットで発足した気候レジリエント投資連合(CCRI)の資産設計・構築ワーキンググループが2021年に開発。CCRIには、リーガル&ゼネラル、オーストラリア・スーパー、シュローダー、フィデリティ・インターナショナル、ドイチェ・アセット・マネジメント(DWS)、アバーディーン・スタンダード、AVIVA Investors等が加盟している。
その後PCRAMの開発は2023年3月にIIGCCへ移管。2024年11月にディスカッションペーパーを発行し、2025年6月に第2版原案を公表。今回正式の第2版がリリースされた。第2版には、PCRAMの「A」の意味が「Assessment(評価)」から「Appraisal(鑑定)」に置き換えられた。
今回の改訂では、初版がアセット単位でのリスク評価を目的としていたのに対し、第2版は範囲を拡大し、実践的なレジリエンス計画の策定までをカバー。また個別アセット単位だけでなく、投資ポートフォリオ単位及びファンド単位での分析の手法も開発された。加えて、アセットへの影響が、地域インフラ、コミュニティ、自然環境等の周辺環境に及ぼす相互作用も考慮できるようにした。
(出所)IIGCC
また実践例として、太陽光発電所アセット2件、海事・港湾インフラ・アセット1件、不動産アセット1件も紹介されている。
PCRAM 2.0の開発では、アクサ・インベストメント・マネージャーズ、スイス再保険、Theia Investments、英外務・英連邦・国際開発省、オクトパス・エナジー、プライベート・インフラストラクチャー・デベロップメント・グループ(PIDG)、マット・マクドナルド等が協力した。作成資金は、英外務・英連邦・国際開発省が拠出した。
IIGCCは、物理的リスク分野で「気候レジリエンス投資フレームワーク(CRIF)」を策定済みで、その一部としてPCRAMを気候適応・レジリエンス計画を策定するツールとして作成することを推奨している。
【参照ページ】From Assessment to Appraisal: PCRAM 2.0's fresh approach to physical climate risk management
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